PLAYERSU
□君が想う以上に。
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8月。暑い暑い夏休み。
運動なんてしなくても汗だくになるこの季節。鬱陶しく、苛々するほどの暑さ。
こうも毎日暑いと、さすがに身体に堪える。
夏休みでも欠かさず部活に出て練習するのは日課になっているが、中には熱中症になりかけのヤツとかもいた。
俺はまぁ、中学のときにめちゃめちゃきつい練習とかしてたし、そりゃここの練習もだいぶきついけど、ちゃんとついて行ってる。
でも……
「黄瀬、今日も神崎は来られないのか?」
「んー、無理っぽかったっスよ?今朝もみくん家ちょっと寄ったんスけど…まだかなり辛そうで」
「ふーん…」
みくはこの部活唯一のマネージャー。それでいて、俺の彼女。
だからたまに部活内で本当に時々だけどからかわれることもある。
普段はめちゃめちゃ頼れるしっかり者のマネージャーだ。
が、ここ数日は部活を休んでいる。
原因は夏風邪。もう3日も熱が下がらない。
部活休み出してからちょいちょい顔を見に行っているが、正直つらそう。
でも、俺が行くと必ず"来てくれてありがとう。部活行けなくてゴメンね"って言う。
気にしないでいいのに!
「黄瀬ー、お前今日帰りも寄って帰るのか?」
「今日はそのつもりっス」
「お前の場合は神崎はマネージャーである前に彼女だもんな。チッ」
「……森山サン、今"チッ"て言いましたよね?」
「……………聞き間違いだ」
「えっ」
「あーもう!お前の僻みはもういいしわかったからよ!とりあえず黄瀬は神崎の様子ちゃんと見てきてやれ!わかったな?」
「は…はいっス」
森山サンにああいうこと言われるのは結構しょっちゅうだ。
笠松サンが仲裁に入るのも日常茶飯事。
こんな毎日だけどやっぱり、そこにみくがいてくれないとな。
部活を終えて早足でみくの家に向かった。
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