PLAYERSU

□好きになっていく
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「…お前、何でわざわざ俺に頼むんだよ?」



「いや、だってその…花宮君て、成績良いから、教えて貰いたいなーって、思ったんだけど…だめ?」


すると花宮君は"チッ…"と軽く舌打ちをしてため息をつきながら、


「そこ、座れよ」


と、そばにあった席を指さしてわたしをそこに座らせた。その隣に座った花宮君。



テスト週間。

たしかに、勉強なら他の女友達に頼めば済む話だとはわたしも我ながら思う。

でも、こういう口実でもない限り、花宮君と2人きりで話せるなんて機会はない。


見た目とか雰囲気とかで彼を敬遠してしまう人も多いと聞く。

たしかに初めて見たときは、ちょっと怖かったけど、実際彼はみんなが言うほど怖い人ではない。

今だってほら、こうやってわたしの面倒を見てくれてる。


嫌々付き合わせてしまっている感じもするけれど、彼が嫌だと言わないなら、もう少し、この2人きりの感覚を味わっていたいな……。



「ここ、違う」


不意に自分でも気付かなかった間違いを指摘された。


「……えっ?」


「これだからバカは面倒なんだ」


はぁ、とため息をつきながらもわたしのほうに少し身を寄せてわたしのノートをペンで指しながらあれこれと問題の解説を始めた。


いきなり距離が近くなったことでわたしは動揺した。


待って、近すぎ。


思ってもみなかったことだから、酷く心臓がバクバクした。


「…おい、聞いてんの?」


「へっ…聞いてるよ?」


すると少しムスッとしたような顔をして説明を続ける花宮君。



嫌そうな顔するくせに、教えてくれるんだ。優しいな……ちょっと意外かも。


なんて考えながら、下校時刻になるまで一緒に勉強した。




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