PLAYERSU
□支え合って生きること。
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寒い冬。今日は珍しく雨が降っていた。
突然わたしの携帯が着信を知らせた。
誰だろう?と思い画面を見ると、これまた珍しく"高尾和成"の文字が。
一瞬、ドキリとしてしまう。
咄嗟にブンブンと頭を横に振って落ち着いてから電話に出た。
和成は、低く、辛そうな声で一言だけ言った。
"───あのさ、今から会えない?"
いつもと様子が違うと思った。
なにかあったんだと思いわたしは、理由も特に聞かずに承諾した。
和成には、彼女がいる。
かわいらしくて、勉強もできる、何をとってもそれこそハイスペックで、とてもお似合いな二人。
正直、羨ましかった。
和成の彼女、という肩書きが。
でも、どうにもできないから、何もしないで2人のことをずっと見てた。
だからこそ、理由はともかく何だかいきなり頼りにされている感じがして、少しうれしかった。
部屋着から着替えて、暖房のスイッチを切ってコートを羽織り、傘を差して外へ出た。
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