PLAYERSU
□still love you
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涼太に会わなくなって、たくさんの時間が流れて、その間に何人の人と寝たか、もう覚えてない。
でも、ずっと、誰とも付き合おうとはしなかった。
付き合って、って言われたこともあったけど、あたしはそれだけは頑なに拒んだ。
誰かと1つになってるときだって、あたしの名前を呼ぶ声を、その触れ方も、みんな違うのに…目の前にいるその人とは別人を重ねて見ていた。
学校じゃ、もうなんと言われようが構わなかった。
今じゃもう女子は仲良くしてくれる数人以外みんなあたしを冷めたような、怯えるような、ただの尻軽女だとしか見てない。
言われなくたってそんなこと、わかった。
男子はみんな、あたしがヤラせてくれるとばかり思っていい顔して近付いてくる。名前も顔も、覚えてない。そのときだけの存在の人達。
あれもこれも、涼太と会わないようになってから、ひどくなった気がする。
あの時は、あいつといる時間だけ多くて、他の人の存在なんて必要なかったから。
もう、1年も連絡すら取っていない。
どこで何してるんだろう、とふとあの日涼太を振りほどいた日と同じように煙草の煙を吐き出した。
モヤモヤした感情は、ずっと消えないまま。
あの日あたしを呼んだ声が今も、忘れられない。
「………ねぇ!聞いてる?みく!」
「ごめん……なに?」
「だーからぁ、あたしがこないだ紹介したヒロト君!ど?今度こそ付き合ってみたら?かっこいいし、みくも好みの顔って言ってたじゃん!ヒロト君の方もみくなら歓迎だって言ってるし♪」
「あ〜、あの人…」
顔は、たしかに好みだった。色白で、綺麗な鼻筋に、切れ長の目、かなり整った顔立ちをしていた。
でも、あたしが珍しくそう言ったのは、ちょっとだけ、あいつに似ていたから、かもしれなかった。
「まあ、付き合う前にデートでもしてみたら?」
そう女友達に言われ、今週末、そのヒロト君と2人で会うことになった。
ここまでも、きっとこの先も、いつもと同じ流れだと思った。
デートして、結局それっきりだと。
でも、顔は好みだし、いつもよりほんの少しだけ乗り気だった。
あまり期待はしてなかったけれど。
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