PLAYERSU

□I’d like to meet
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そんなある日だった。




いつもみたいに朝、みくと一緒に支度してそろそろ学校へ行こうとしていたとき。


俺がふと、みくが部屋でタバコを吸っているのを見たので、やめるように言ってみた。

そのときに、何気なく彼女の話を出したら、急に曇った顔つきになったみく。




そのまま俺を後ろにあったベッドに押し倒してきた。

朝からみくがこんなふうになるのは珍しい。

“これから学校あるのに、行けなくなっちゃうじゃない“と前に1度言ってた気がしたけど、どうしたのだろうか。

いつもと違う、そうなんとなく察したけれど、どうせいつもみたいにしたくなっただけだろうとおもって、適当に言葉を投げかけた。


けれど、その言葉は完全に無視され、返ってきた言葉は予想しないものだった。



「彼女の話、しないで」



正直、驚いた。

でも、大して本気でそう言っているわけではないのかと思い、いつものように俺は軽く冗談で返した。



「なに、好きになっちゃったんスか?俺の事」



俺は、“そんなわけないじゃない!“って笑って言い返すみくを想像してた。


でも、違った。
何も、何も言わなかった。


やっぱり、何かおかしいと思ったけれど、俺からは“なんかあったんスか?“なんて優しい言葉は出てこなくて、まだ冗談じみたように、


「恋愛感情なんて、ないのが前提だったじゃないっスか」


と言った。まさかそれも、みくを追い込む言葉だったなんて知りもしないで。

そして、俺自身もその言葉に心の奥底では何か痛みを感じていたのに、それにも気付かなかった。


そこまで言って俺はみくが今にも泣きそうになっていることに気が付いた。

悲しそうで、つらそうな目。


頭が悪い俺でも、なんとなく気付いてしまった。みくの気持ちに。


そのままみくは悲しそうに1度だけ口づけた。


そして告げられた言葉は、俺にとっても驚きの一言で。



「もう会うのやめにしよう」



俺の中で、何かが崩れるような気がした。


引き止めた、けど、その手を強引に振りほどいて、みくは家を出て行った。



ショックだった。でも、俺は追わなかった。

身体だけの関係でしかないみくを追えば、付き合っている彼女を裏切ることになるんじゃないかと頭をよぎったから。

別にみくとは付き合っているわけじゃないし、恋愛感情なんて、これっぽっちもない。

だから、別に会わなくなったって何も変わらないし、ただ、身体の相性の良い友達を失っただけ。

だから、追う必要もないし、何も気に病むことはない。



そのはずなのに……。



みくの見せた最後の悲しそうな顔、目つきが頭から離れない。

キスの感触も、離れてくれない。


脳裏に焼き付く。



「ハハ…恋愛感情がないなんて、どの口が言ってんスか………」



深くため息をついてもう一度ベッドに仰向けになった。



モヤモヤした感情が湧く。ぐるぐると頭を駆け巡るみくの声、姿、感触。


思い出しながら、学校のことなど忘れてそこでもう一度眠りについてしまった。




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