PLAYERSU
□おしまい
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「なんで、なんで秀徳に行くの」
「俺は、そこでバスケしてーんだ、本気で」
「和成の、うそつき」
「……ゴメン、みく」
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高校入学後にできた友達に、和成との話をしたら、そういう別れ方は良くないよ、そんな風に言われた。
良くないって、なに?あたしたちの何がわかるの?
そう思ったけれど、だよねー、とか言いながら話を合わせる。
和成とは、あれっきりでもう連絡なんてとっていない。
第一、あたしに相談もなしに秀徳高校に行くなんて決めた和成が悪い。
一緒の学校に行こうねって、話をしてたのに。
相談してくれれば、良かったのにな。
今でも、そう思う。
「でもさーみく、他校でもやっていけたんじゃない?だってほらみくって一途だし」
「まーやっていけた、かもしんないけど。あたしはあそこで、もう無理だと思っちゃったんだよね」
「たしかに彼女にも相談なしに進路変更はキツイよね。しかも一緒のところに行きたいって話してたのに」
「でしょ」
和成とは、あれっきりで。あたしにはもう新しい彼氏がいた。
同じ学年で、隣のクラス。告白されて、顔もタイプだったし、評判も良かったから、ちょっと考えてすぐにOKした。
好きになれるかは微妙だったけど、案外すぐにそいつのこと好きになって、今じゃもうずっと一緒にいるイメージとか言われるくらいになった。
それもまた光栄なこったと思うけれど、このままずっと一緒、なんてのは夢だと思っている。
和成のときも、そんなふうに思っていたのだから。
ずっと一緒にいたいとは思う。でも、その思いはほんの一つの出来事からも簡単に崩れてしまうことも知っている。
それがわかっている今だからこそ、尚更、一緒にいる時間が大切だともわかるようになった。
だから、あたしはもう和成のことはなにも未練なんてないと言いきれる。
未練なんて、ない。
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