PLAYERS

□臆病なわたしたち
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奥手な君はわたしに全然手を出してこない。


手を出す、という言い方は彼には相応しくないかもしれないが、それでもキスどころか手を握ろうともしない。





気を遣っているのかはわからないけど、それでもやはり少し不安になってしまう。




告白をしたのもわたしの方だし……。



けどわたしが帰り道とかに「好きだよ」って言うと彼も笑って「僕もです」って言ってくれる。


それだけが心を繋ぎ止めているような気がしていた。















するとその日の休み時間に珍しく黒子君の方からわたしの教室に来た。



「神崎さん」



黒子君はわたしのことを下の名前で呼ばない。彼的にもそれがしっくりきているからだと思う。わたしも同じで、テツヤ君とは呼んだこともなかった。





「あした、ウチで他校との練習試合があるんですけど」



「うん」


「よかったら、観に来ませんか?少し朝早いですけど……」



「本当に?行きたいなぁ」



「よかったです。あ、今日も練習があるので、先に帰っててください」


「ん。わかった」




それだけ告げて教室から出て行った。


ささいな誘いだったのに、胸が高鳴るのがわかった。


実は、黒子君の方から試合に誘ってくれるなんて初めてだった。


まだ試合を観に行ったわけじゃないのにもうその気になってしまっていた。



あした、楽しみだなぁ




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