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□好きと言わせたい
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「みくっち!好きっ!」



そう言っても言っても彼女は俺と視線すら合わせようともしない。


それどころか冷たく振り払う。



「あたしに付きまとうの、もうやめてよ、黄瀬君」


そう言われるのはもう何回目かわからない。正直マジでしつこい男だと思われてる気がする。


なのに、突き放されればされるほど、彼女を俺の、俺だけのものにしたいという気持ちが強くなっていく。



クラスは一緒だから、話す機会もよくある。(ほぼ俺の一方的)


彼女は俺を突き放しているようだけど、実際男の子の中じゃ俺が一番よく喋ってると思う。


なんだかんだ言ってみくっちは俺を無視したりとかしないし。


そこがまたなんていうか…本当は優しい人なんだなって改めて思わされる。





「ねーみくっちってば」


「いい加減その呼び方、イヤなんだけど」


「いいじゃないっスか〜みくっち!」


今日の休み時間もいつもみたいに彼女の前の席に腰かけて彼女の机に頬杖をつきながら会話を振る。


冷たく返されるってわかってはいても、その反応すらむちゃくちゃかわいくて、俺はひたすら笑顔で話しかける。


「数学今回んとこ難しくないっスか?次のテスト赤点取りそース…」

「黄瀬君が赤点じゃなかったことなんて、あるの?」


「ヒドッ。俺だってやればできるのに〜」


「なんか胡散臭いよ?」



「そんなことないっスよ」





みくっちは俺に多少冷たいけど、最近はどことなく会話になるようになってきたと思うし…少し、笑うようになった気がする。






そういえば、もうまわりから見たら俺はみくっちのことしか全然頭にないように見えているらしく、最近はあんまり女の子から声をかけられなくなった。


みくっちのことを特別視しまくって他の女の子との対応にかなり差が出ていたのも否めない。


でも、それほどみくっちが好きで好きで。




だから彼女にも、俺のこと好きって言って欲しかった。


でもどうやったら振り向いてもらえるとか、必死こいて考えたりしたけど、全然わかんなかった。



今まで女の子に自ら言い寄るなんてしたことなかったから。




だからとりあえず、毎日毎日みくっちにアピールするしかないと思った。






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