PLAYERS

□それでも大切な人
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「もう、なんなのよ」



あたしの部屋にあがるやいなや"疲れた〜"とか言って勝手に人のベッドで寝始めるなんて。




「行きたいって言ったのは大輝のほうなのに、来たらあたしは放置なんて」




そんなふうに文句を言うそばでスースーと寝息をたてて寝ている。



ベッドの端に座りながらちらり、と横目でそんな寝顔を見ていると、怒り半分愛しさ半分のようなちょっと複雑な感情が沸き起こる。



「もう、部活が大変なのはわかるけど……もう少しくらいあたしの相手してくれたっていいじゃん……」






そうつぶやいた瞬間。




「…相手してくれんの?」




急にそんな声が聞こえたと思ったら、なにがなんだかわからないうちに体が横向きになるのだけは感じることができた。



その力の元は言うまでもなく大輝。




そしてなにがなんだかわからないまま体勢を変えた大輝はあたしに馬乗りに。



「ちょっ!?起きてたの!?」



「ウトウトしかけてただけだっつーの。なのにすぐそばで相手してくれとか言われて俺が黙ってるわけねーじゃん」




聞かれてた……。



恥ずかしさがこみ上げて、手で顔を隠すが、その手をほとんどむりやり強い力でどかして、「顔見せろ」といつものように命令する。





でも、大輝にそんな命令口調で言われるたびに、自分が占有されていると感じて嬉しくなってしまう。自分がMすぎて嫌になるくらい。





「それより、マジで相手してくれんだろーな?」



「あ、相手……?って、なに?」




ニヤリと笑うと指先でそっとあたしの体に触れる。




「だめっ!絶対駄目なんだから!!」



「あー?んでだよ」



「ダメなものはダメッ!」




その手を強い力で払いのけて、大輝のことをポカポカ叩く。



「ちぇー、つまんねぇ」



今日は珍しく、一度で止めてくれた大輝。いつもなら抵抗すれば逆にその何倍もの力で返されてしまうのだが。






「"つまんねぇ"じゃないよもう。……盗み聞きなんてズルイ」



「……やっぱ物欲しそうな顔ばっかしてるよな、みくは」



間を置いたと思ったら、急に"やめた"と意味深な言葉を言った。



「……やめた?」




「だから今日はキスだけで我慢してやるからよ」



「なに勝手に………んむっ」





最後まで言い切る前に唇を強引に押し付けられて、直前まで喋っていたせいか簡単に口内への侵入を許してしまう。







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