PLAYERS

□たまにはこれもあり?
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「もうやめてったら」



「なぜだ?女というのはこういった行為を喜ぶものだと思っていたが」



「なによぉ、いつもそんなキャラじゃないじゃないの!」





といった会話が繰り広げているのは奇しくも秀徳高校男子バスケットボール部の部室である。



そして真太郎の言う"行為"というのは、まさしく行為というに相応しい。

誰もいない部室に連れ込まれ、二人きりになったところで突然手を握りしめたと思いきや強い力で抱きしめられたのだ。





普段は真太郎からこんなことはしない、ましてや部室に連れ込むなんてことはありえない。








「今日はこういう気分なのだよ」



「もう、暑いから離れてよっ」



「嫌だ、と言ったらどうする?」



「そんなのこっちが嫌だよー」



「ふん、そんな態度ばかりでみくには呆れたものなのだよ」




と、吐き捨てるように言うと、あっさりとわたしのことを離し、そばにおいてある椅子に腰掛ける。



え、まさか…本当に呆れられた…?




正直、ちょっと構ってほしかったが為に冗談半分で離れてと言っていたのだが、真太郎はそれを本気と受け取ったのか、はたまた意地悪で言ったのかはわからない。




しかし、彼はそこからわたしに触れようともしなかった。




「あー…真太郎?」



「?離れろと言ったのはお前のほうなのだよ」



「そうだけど、ね?」





わたしが少々遠慮がちに見据えると、上手にお願いしてみせろ、と言うような目つきでわたしを見返してくる。




その雰囲気に、改めて今の2人きりという状況を意識してしまい、顔が熱くなるのがわかった。


そんな表情を見せても真太郎は顔色ひとつ変えることもない。




「どうした」



「今日の真太郎、なんかやっぱりいつもと違うよ。普段ならこんなとこに連れ込んだりしないし……」



「誰か来るのではないかと心配しているのか?それならば気にする必要はない」



「そうじゃなくって……」





"いつもより緊張する"と言おうと思ったのだが、ここへきて恥ずかしさが頭に浮かんでしまったので、言えずに黙り込む。




「誰か来れば、そのときはそのときなのだよ」



「ヤダ。こんな場所で2人でいるとこなんて見られたくないもの」



「…………みく」



「な、なに…?」



「俺は今カチンときたのだよ」



「へ?」


あまりに唐突な真太郎のそんな一言に間抜けな声が思わず漏れたが、そんな様子も気にせずさらに続けた。




「俺と一緒にいるのを見られるのがそんなに嫌か?」



「いや…じゃない…けど…」



「どっちだ。なんなら今ここで人を呼んでも構わないのだよ」



「ちょっそれはやめて真太郎」




誰か顔見知りを呼べばそのときどう反応されるかなんてだいたい想像できた。だからこそわたしはそれを頑なに拒む。






それを知ってか、真太郎はいつもと違い容赦ない言葉で要求する。






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