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□幸せな目覚め
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目を開ければ、いつもと変わらぬ自室の天井が目に入る。



でも、横を見ればまだスースーと寝息をたてるみくの姿を捉えることができる。



時計を見ると9時前。
窓の外に目をやると雲1つない快晴で。


俺はこんな気持ちの良い朝にこんな可愛い彼女の隣で目覚めることができてなんて幸せなんだろうと思った。



みくはまだ寝ているため、起こさないように一人で布団から出て、とりあえずカラカラの喉を水を流し込むようにして潤す。


ついでに洗面所に行って歯磨きをしてまた部屋に戻ってくるが、まだみくは目を覚まさず気持ち良さげに寝ていた。





「みくっちってば〜ほんと無防備っスねぇ」


と、小さくつぶやく。


でも、こんなみくの姿を見られるのも自分だけだと思うと幸せで胸がはちきれそうになる。




しばらくその寝顔を眺めていたのだが、だんだん悪戯心が働き出してきた。俺の悪い癖。




みくはなかなか起きない。
だから仰向けに寝ているみくを起こしてやろうと思いついたのだが、ただ起こすだけじゃ詰まらないと感じた。



だから、みくが起きたときに思わずびっくりするようなことをしてやろうとした。





悪戯な考えをまとめて、まずみくのその無防備な唇に軽く、軽くキスをした。



これで起きればそれはそれで"おはよ。気持ちいい朝っスね"とか言ってもう一度唇を塞げばいいと思ったが、案の定みくは起きなかった。




かわいいなぁ、ほんと。



軽くキスするだけじゃ起きなかったので、俺の悪戯心はさらにエスカレート。




今度は軽く閉じたままのみくの唇を強引に割って深いキスをしてみた。


それに対し反応が最初見られなかったので、みくがいつも好きなふうに舌を絡ませてみると、ようやくうっすらと目を開け、次の瞬間にびっくりしたような顔をした。



「…ん…っ…んん…!?」



声を出したいらしいが、俺がなおも口を塞いでいるために出せない。


みくが目を覚ましたというのに俺はキスを止めなかった。



朝からみくとの(一方的な)濃厚なキスを堪能し、最後に一際大きなリップ音をさせて唇を離す。



「みくっち!おはよ」



「おは、おは……おはよじゃないよっ!いいいいいきなりすぎる…っ」



だいぶ動揺した様子。

声と目ははまだ寝ぼけた感じなのに、言う言葉だけはなぜか寝起きとは思えなかった。



「だってみくっちが起きなかったからっスよ?」



「涼太ぁ…起こすならもっと他にやり方ってものがあるでしょ」


「あれ、みくっち、もしかして怒ってる?俺にキスされたからっスか?」



「は?いや、えっと…その、キスされたことが嫌だったわけじゃなくて…いきなりでびっくりしたというか…だから怒ってるとかそんなんじゃ……」



「あーもうみくっちってば、かわいすぎっス」




身体を起こしてもじもじしながら俺を遠慮がちに見据える姿がたまらなく可愛くて、もう一度不意打ちで軽いキスをした。







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