PLAYERS
□そんな君も好き
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「…ん…ふぅ…っん…く」
「どうかしましたか?」
「苦しいッ……っ」
「そんなの、当たり前です」
放課後の視聴覚室。
今日は黒子君のいるバスケ部はオフだから、一緒に帰ろうという話になっていた。
が、帰る前にこんな場所に連れ込まれて、電気もつけずにいきなりわたしの身体を壁に押し付けて強引なキス。
黒子君は本当はいつもはこんな人じゃない。
もっと優しくて、大事にしてくれる。
なのに今日はいつもと違う。
「や…め………っ」
「どうして拒むんですか?こんなに欲しそうな顔をしてるのに」
グッと顎を掴まれ、容赦ない言葉を浴びせられる始末。
視界が彼の顔で埋まって、また深い口づけをされる。
「んぅ…くろ…こ…くん……ふっ」
合間に拒んだつもりで名前を呼ぶと、"それも誘ってるんですよね?"とか言って首筋にキスマークをつけられる。
「あっ……だめ、やめて。そこ…目立つよ」
「目立つところにつけないでどこにつけるんですか」
ちぅ、と首筋に鬱血したあとをつけるとわたしの目を見つめてくる。
その目に見つめられたら、わたしは拒むことすらできなくなる。
再び落とされたキスに自力で立っていられなくなり、足に力が入らなくなる。
それに気がついたのか、黒子君は足で身体を支えなくていいようにわたしを床に押し倒してきた。
上に乗られて、さらに身動きが取れなくなって、余計拒絶がきかなくなってしまう。
「なっ……なんで今日はこんな……」
「みくさんのほうが欲しそうにしてたからですよ?」
「わたしそんな顔……っ!」
「してました。ほら、こんなに顔も熱いです。自分でわかりませんか?」
黒子君によって自分の手を自らの頬に持って行かれて、顔の体温を直に感じてしまう。
「熱い……」
きっとそれ相応に顔が真っ赤になっているに違いないと思った。
「これを見て誘ってると思わない男の人なんて、いないですよ」
「ちが──」
一方的。端から見たら本当にわたしが襲われてるみたいにすら見えるに違いない。
だからこんな誰もいない場所に連れてきたのだと理解できた。
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