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□きみの為に
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好きな人の誕生日くらい、きちんと何かをプレゼントしてお祝いしてあげたい。
そんな気持ちはきっと全国の誰もが大体共通なわけで。
わたしだって、それは当てはまる。
「…〜……っ」
え…なに、紫原くんってなにをあげれば喜ぶの?
お菓子?そんなのいつも誰かしらに貰ってるから誕生日プレゼントだと思われないんじゃ?
かと言ってあの人は年に1回の特別な日には一体何を欲しがるの?全っ然わかんない!
とりあえず何か買おうとお店に入ったはいいが何を買っていいのかもわからず1人で葛藤。
誕生日はもう明日なのに。今まで何も考えていなかった自分に腹が立つ。
「紫原くんて……お菓子以外に何が好きなんだろ…」
ぽつりと呟くが、お菓子以外に考えなんて浮かばない。
時間ばかりが過ぎていく。
その時、ふと目に入ったのは雑誌のコーナー。
そしてとある雑誌に目をつけたわたし。
「…初めての…お菓子…入門………」
こちらに向いている表題を思わず口に出してしまった。
わたしはそれを手に取り、パラパラとページをめくる。
そして、小さく頷いて迷うことなくそれを買うと決めた。
いつもはコンビニやスーパーで売ってるようなスナック菓子ばっかり食べてる紫原くん。
でも、誕生日の時くらい、手作りのお菓子をプレゼントしてもいいよね?
あんまりこういうこと、したことないから上手くできるかわからないけど。
それでも紫原くんの喜ぶ顔が見たくて。
………がんばろっ!
早速材料を取り揃え、多少失敗しながらも一生懸命に作る。
作ろうと思ったのは、単純できっと紫原くんも普通に好きであろうショートケーキ。
うまく、できるといいなぁ。
彼の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
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