King

□今年の抱負
1ページ/4ページ






──年が明けた。





いつもと変わらない正月。


同級生やら先輩達からたくさんのあけおめメールと共に幕を開ける。




まぁ…女子ではないからそんなにたくさんって程でもないけど。



そうそう!女子といえば俺は昨年の夏に記念すべき初彼女ができた。



名前はあき。





でももう冬休みだというのにキスどころか手も繋いでない。





なかなか勇気が出せない俺…情けねぇ…。




今日は元日だから家であれこれすることがあっけど、明日は前々から約束してた初詣デート。



くぅーっ楽しみだn……




ピピピッピピピッ





と、急に鳴り始める俺の携帯。とっさに俺は直感した。


絶対、あきからだ!




案の定それはあきからの電話で、自然と顔に笑みがこぼれる。





「もしもしっ!」


『あ、赤也?あけましておめでとう』


「おう、今年もよろしくなっ」



年が明けてから話すのはこれがはじめてで、何か緊張した。まるで初デートの時みてぇ…。





「?どーかしたのか?」



『ううん。年明け一番に赤也の声が聞きたかったから』

「うわ、めちゃくちゃ嬉しいこと言ってくれんな、おい」


『へへっ…//』


照れてるのがわかる。そんなところも可愛くてしょうがない。




「明日のことだけどよ」


『うん?』


「10時にあきんち迎えに行くから。待ってて」


『わかったぁ。ありがとう』


「おう。じゃあな」


『うん、また明日』





そうして電話を切った。



明日楽しみだな…新年初のデート。新鮮すぎてなんか緊張する。






そこで俺は考えた。


まだ俺達、付き合ってるけど何も恋人らしいことできてないから…だから明日こそ!




あきとファーストキスを……いやキスじゃなくてもいいせめて抱きしめたい……いやいや、あわよくば手を繋ぐだけでもいい!



と、ニヤニヤしながら妄想してたら、姉貴にめっちゃ変な目で見られて、こう呟かれた。




「……キモ」



姉貴は苦笑いだったらしいが、そんなのはもう目に入っていなかった。




>
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ