King

□君はダリアのように
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今日もまた、同じ朝がやってくる。



いつもと変わらない朝が。





花に水をやり、朝ご飯を食べ、学校へ向かう。



ただそれだけなのに、今日はいつもと違う。




隣に君がいないから。




毎朝待ち合わせをしていた場所にいっても、君はいなくて。



「あき……」



名前を呟けばすぐ来てくれそうな気さえした。




でも もう君はいない。




昨日まで、あんなに楽しかったのに。









──



「あき、話ってなに?」




放課後の帰り道、急に彼女のあきは俺を暗い面もちで引き止めた。




「あの、ね……精市」



「?」




「私達、もう終わりにしない…?」



消えそうなくらい小さな声だったが、今の俺には十分すぎた。



「…なんで…いきなり?」




「他に……好きな人ができたの」



「だから、俺との関係はもう…いらない…?」



するとあきはゆっくり頷いた。




「ゴメン…ほんとにごめんね…」



「…………」





「じゃあね、精市…。バイバイ」



俺に背を向けていなくなった。


追いかけることができなかった。



俺はまだ、今でも君のことが好きなのに。




──




「あき……」



再び名前をつぶやいた。




すると信じられない光景をみた。





いつもの待ち合わせの場所に、ゆっくり歩いてくる女の子。



すぐにわかった。

あきだった。




一気に気持ちが高揚し、声をかけようと喉元まであきの名前が出かけたとき、俺はすぐさま硬直した。





あきの隣に知らない男子の姿があったから。



楽しそうに笑う君。




俺はそれを見て思わず目をそらした。




辛くて、辛くて。




恋ってやっぱり、テニスとは違って、うまくいかなかったりするみたいだ。




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