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□とある誕生日の前日
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「今日の高尾くんは、変」
「いつもと変わんねーけど」
「じゃあ何で急にごはん行こうとか言うの」
「行きたかったからー」
「しかも、奢るなんて高尾くんじゃないみたい」
「ハハッ、大人の事情ってやつだよ」
「なによ、私より年下のくせに」
「1つしか変わらねーじゃんか」
「そうだけど…とにかく私はちゃんとお金払うからね」
「マジそんなん気にしなくていいから」
「気にするよ。最近やっぱり高尾くん何か変だし」
「そりゃあ……まぁ………」
彼女の誕生日は、もうすぐそこ。
(だから、自分のことみてーに浮かれちまうんだよなぁ……)
「高尾くん?」
「いや。行こーぜっ」
彼女の手を引いて歩き出す。
とある誕生日の前日