Sweet
□遠回しな正直
2ページ/4ページ
ちゅーか…っ
体育館から保健室まで結構な距離あってんあきのこと背負いっぱなしやけど…、全然疲れへんな。
あまりにも軽すぎる。こんなんだから倒れてまうんや!
静かな足音が響く廊下。
朝礼中だった為、保健室向かう途中にはだーれも会わへんかった。
それもあって余計に風が吹き抜ける音がよう聞こえてた。
もうちょい歩いたら保健室に着いた。
保健室も誰もおらへんし、ベッドはすっきり整理されとって、
俺はそのベッドの一つに、背負っとったあきを寝かせて、隣の椅子に座った。
ぶっちゃけ、あき二人きりとかめっちゃ緊張しててん。
クラスの男子ん中でもよく話に出てくるあき。
謙也もあきのこと可愛いとか彼女にしたいとか言うとった。
俺はそれこそ言わへんかったけど、気になっとったのはたしかや。
謙也とか最近積極的にあきに話しかけて、少しでも仲良うなろうとしとった。
俺、話しかける勇気なくてなあ…、ほとんど遠くから笑うてるとこ見たりしとっただけ。
>