Sweet

□笑かしたもん勝ちや!
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「お!あき、ええとこに来たな」



いつもみたいに授業が終わったところで、放課後部活のテニスコートに来たところで、白石に声をかけられた。



「何か用でも?」



「そんな冷めた顔せんで、話聞いて、な?」

謙也が言う。


「別に元からこういう顔だけど?」


失礼な!



「…で、まあ本題に入ろか」


とりあえずテニス部のみなさんの輪に入って話を聞くことに。




「毎年恒例のお笑いグランプリが来週にせまっとるっちゅーことは、みんな知っとるな?」



「そりゃあもちろん!」


「知ってるでぇ!」


こんなときでさえ息が合いすぎている小春ユウジペア。



どうでもいいから、早く練習始めたらどうなのよ?


ま、練習ない方がマネージャーのあたしとしては楽なんだけど。


「毎年部活ごとやろ?今年はどないするか、決めよ思てなぁ」




「小春とユウジに出てもらえばいいじゃん。はい、決まり!さっさと練習始めよー」



て、だるいから練習に促したんだけど案の定みんなは納得いかない様子。




「小春とユウジは個人の方で出るんや。なんやみんなでできるもんはないんか??」



個人って何よ?


今、部活ごとって言ってたじゃん。


「じゃあ、あれだよ。みんなでモノマネショーもすれば?」


…なんだかんだあたしが一番意見言ってんじゃん!あたし天才っ!笑



「「却下」」


「あんたもうちょいマシな考え浮かばへんの?そんなんやと笑いなんて到底とれへんすわぁ」



うわ、あたし今一生懸命(?)考えたのに、なんて思いやりのない連中なんだ(泣)



てか、何で却下しちゃうの?


そこはあたしにノッてくれたっていいじゃん。



「ぶっちゃけモノマネ言うたら、ユウジがおるからええやろ?他考えよーか」



「そこんとこ、何が良いのか全然わかんないんだけど」



「みんなが参加できる言うなら、劇とかでええんとちゃいます?」



て、しかと?

テニス部のみんなはいつかそんなにも冷たくなってしまったんだろう。


「光、劇やるん?」

謙也が嫌味っぽく言う。


「はあ?謙也さんうっさいすわぁ、ほんま黙ってくれます?」



「あ…劇やりたいんやな、光☆



「いや別に?」



受け流すのは得意分野の光。



「じゃ、劇にすったい」


千歳が満面の笑みを見せた。

「え、劇やるんすか?嫌っすわぁ」





「お前が言うなや」



て、なんか光の意見(?)により、劇に決まったらしいんだけど。


あたし、いる意味あったのかな?

丁度ええとこに来たなとか白石言ってたけど、あたしの意見はみーんな却下されたし?


くそくそ(怒)



「ワイ主役やりたい」


「いや、主役はあえて謙也やろ」


「俺!?」


「俺もそう思う」
「俺も」
「右に同じく」
「あたしも☆」



「だからあき先輩うざいっすわ。あんたの意見なんて聞いてへんわ」


みんなに便乗しただけなのに、なんで財前はこんなにもあたしを目の敵にしてるの?


ま、少しも傷つかないし、ショックも受けないあたし。



てか、慣れてるのよね、こいつの扱い(笑)



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