Sweet
□恋するスピードスター
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「謙也って好きな人おる?」
「なっ…いきなりなんや、白石…」
「聞いてみただけやがなー」
「あほか白石」
「謙也にあほ言われたないけど…ま、ええわ。で、どうなん?」
それは昼飯の時間、唐突に聞かれた。
周りではガヤガヤと騒ぎながら食うてるときに、白石は深刻な顔つきでいきなりこない質問するから…箸からじゃがいもがポロリ。
「ちゅ、ちゅーかなにがあっておまっ…そない質問するんや!!」
「いやー(笑)ちゅーかじゃがいも拾えや。…財前から聞いた話によればや、謙也は一途に恋をしとるんとちゃうん?」
光!それ言うたのか!?
よりにもよって白石に。
ギラリと白石の目が光る。
「…好きな奴がおって悪いんか、白石」
「別にそうは言うてへんやろ。しかも財前から聞いたのはそれだけやないんやで(笑)」
「な、何を聞いたんや……(泣)」
そして光は白石に何を言うてしもたんや。
「…謙也の好きなコ」
「え!?」
すると白石は耳打ちをしてきた。
「あきやろ」
「な…何で知っとるん!?」
「声でかいわ。だから財前から聞いた言うたやろ」
「そ…そんな…」
「だあーいじょーぶや♪秘密にしといたる(笑)で、告らへんの?」
だからや。
こうなるから白石にだけは秘密にしときたかったんや。
強引やし、いきなり「告らへんの?」って…。
間違いなく近いうちに告白させようとしとるな(泣)
…でまあ、あきっちゅーのは。
俺の隣の席のコや。
俺はやたらと教科書忘れが多いんやけど、いっつも何も言わずにあきは見せてくれるんや。
それもあるし、容姿は完璧なんや。
女子もみんなあきと仲良さそうにしとる。
毎日日を追うごとにどんどん惚れてしもた。
勉強もできてスポーツ万能。
この前校内で行われたスポーツテストでは、50メートル走のタイムが女子の中では学年一。
まさにスピードスターや。
自分と共通なとこもあるんやと思ったら、ますます止められへんようになるくらい好きになってたんや。
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