Sweet

□ほんとは好き
1ページ/3ページ





「光って、好きな人おるん?(笑)」



な、いきなりなんなんや、謙也さん。


「別に…謙也さんには関係あらへんと思いますけど」



そや、関係ないやん。
ちゅーかどうせ言うても信じてもらえるわけない。


誰にも言う気はあらへんけど…。



「いやー、光ってもてるやろ?なのに何で彼女つくらへんのかなー思てな」



「人の話聞いてくれます?だから俺は…」




「ほんまに好きな人おらへんの??」



「はあ??」




部活中やのに、何でこの人はそないこと俺に聞いてくるんや。


わけわからへん!




「そない質問あとにしてもらえます?集中でき……」



「ふーん…。光、そうは言いつつもさっきっから目があっち向きっぱなしやん」


横から入ってきたのはホモで有名な先輩ら二人。



指さした方には女子テニス部が。



「だから、さっきったから女子テニス部の方ばっか見とるやん!」




「…みっ…見てへんわ!!!」



「ムキになるっちゅーことはやっぱり、あそこに光の好きな女がおるっちゅー話か」


ち、違う…!!




て、言いたいけど……、



図星だから言えへん……(汗)



図星やなんて、絶対口が裂けても言えることやない。



なんか部長まで参加しとるし。



いつのまに練習中断して俺の周りに集まっとる!




みるみるうちに顔が熱くなっていくのがわかった。



「あれあれ光〜?顔真っ赤やで〜??」


小春先輩がちゃかす。



「照れてるんやな」



「意外と可愛いとこもあるんやな」



「せっ…先輩らうざいっすわ!」



むりやり練習再開した、けど…。



練習が終わる時間になって俺は部室で先輩らにえらい目にあわされた。







────



部室に一番乗りで来て着替えをしてるときや。



「みんなお疲れさん」



て、部長が言いながらレギュラー陣がまとまって入ってきた。




これはまずい!



て思ったから、はよ着替えをすませて出てこうとした。




「先輩らお疲れっすわ!ほな、一足先に……」



「待ちーや光」



やっぱり………




部長に肩つかまれて、むりやり部室に戻された。




「すんません堪忍してください。俺先輩らに好きな女の話なんてできへんっすわ」



柄にもなく必死な俺。


しかし部長はキョトンとした顔で、



「なに言うてんねん光。あそこ、水筒忘れてるで」



「…え」



なんや違うのか。



見るとロッカーの前に俺の水筒が。



「あ、どうもおーきに」



急いで取りにいこ思たら、またしても部長がむりやり肩を引っ張った。




「なんすか?」



「今ので思い出したわ。財前好きな女の子って誰なんや?」




俺はすごく後悔した。


自分で自分の首を絞めることになろうとは思わへんかったんや。




「その話は……(汗)」



「せやな、光。女子テニス部の子が好きなんやろ。誰が好きなん?言うまで帰さへんから」



「け…謙也さんには口が裂けても言わないっすわ」



「なあみんな誰やと思う??」


しかとかいな!


「光って女の子好きになるの初めてやろ?想像できへん」



想像しなくてええわ!



「なあ光、教えろや」



またしても多分顔は真っ赤やろな。



「光また顔赤いやんっ!」


「本当ばい!笑えるばい(笑)」



「先輩らうっさい」



はよ帰らなあかんのや。


ここからはよ逃げたいのもある。


けど、女子テニス部はきっともうみんな帰り始めてるとこやろ。



俺の気になってる人。
…あき先輩。



家近いから、帰るときはいつも前か後ろ歩いてるんや。




好きな理由はあらへん。



これは世間で言うあれや…一目惚れっちゅーやつ。



かれこれ話もできへんまま2年になった俺。



一向に好きみたいや。





けど今帰らな姿見れへんやん!


はよ帰りたい。



謙也さんに言えへんのはあき先輩と謙也さんは同じクラスだからや。



それを言うなら部長もそやけど、謙也さんには尚更や。




「光の好きな人か〜…」



「女テニでいっちゃんかわええのは誰なんや?小春」

何で遠山はいつになくノリ気なんや(汗)




「アタシのデータでは3年2組のあきちゃんが一番とみたでぇ♪」



「ほな光、あきちゃん好きか?」



何でドンピシャなんや〜…(泣)



>
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ