Sweet
□おめでとうを伝えたい
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「寒いな〜」
今日は大晦日。
ただいま9時ジャスト。
そして今あたしはある喫茶店にいる。
まわりは年越しムードにすっかり入っているが、あたしにはもっと大切なことがある。
それは、今日はあたしの片思いの人、千歳の誕生日であるということ。
だけど最近は忙しくてプレゼントも買っていない。
なにかやらなきゃ!
と思ったけど、生憎あたしには何も考えが浮かばない。
仕方なくあたしは良き相談相手(?)である白石に話を持ちかけ、ここに呼び出した。
しばらくすると、向こうから、寒そうにしている白石がやってきた。
「あ、あき。おはようさん」
「“あ”じゃないでしょι時間ないから、手短にいくよ」
「わかった」
「千歳の誕生日、何買ったらいいかな?」
「健康グッズ」
ドカッΣ
あたしはすぐさま白石の足を踏みつけた。
「痛いやろ(泣)…冗談やって冗談ι」
「真面目に考えてよ」
「せやな〜…」
まともに考え始めたあたしたち。
─30分後。
「とりあえず千歳に連絡取って12時に学校来るように言うてみるわ」
プレゼントを決める前に呼び出しを開始した白石。
あたしは黙ってその会話を聞いていた。
「……おお、ほなまたな。………ええって言うてたで千歳」
「そっか、わかった」
呼び出しとかかなり緊張すんじゃんあたし。
がんばれよあたし!
その後の話し合いで結局誕生日プレゼントはテニスボールのキーホルダーに。
それも、立体的でつまむとムニムニするあれだ。
「本当にこんなんでいいの?」
「大丈夫や。ほんでその手紙を渡すか読みあげるかしたったらええで」
笑っている白石。
あたしはプレゼントに加えて手紙も書いたのだ。
本当は手直ししたいところ。
でももう12時まで時間がない。
「じゃあ白石っ!またね」
「おお、がんばり」
そう言って白石と別れて急いで学校へ向かった。
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