Sweet

□きみとのキス
1ページ/4ページ






新学期が始まってすぐ、やってきたこの日。



うちがどれだけ楽しみやったかなんて、わかるわけない。





「蔵、今日誕生日やねんな?なに欲しい?」




「おめでとうもなしかいυ…俺はせやなあ…あきの愛が欲しい(笑)」






「きゃー!変態蔵ノ介君てば困ったもんや」




「変態とかなんやねん!ちゅーかっ、冗談やろ冗談」




「はは、冗談やと思っとったわ。だってうちはいつだって蔵に愛を注いでるっちゅーねん♪」




そう言うて蔵にさりげなく腕を絡めてみたりする。




嫌がる様子もなく、軽く笑ってる蔵。





「あき、そんなんで愛を注いでるつもりか?全然伝わってこーへん(笑)」





わかってるくせに。



蔵はいつもうちに意地悪するんや。



腕絡めるのやてほんまはめっちゃ緊張するし、恥ずかしいねん。




それをわかってるくせに蔵は……。







「つ…伝わってこーへんとか意地悪言うんいい加減やめへん?」



「意地悪やないで?ほんま、愛情足りひんやって(笑)」





「じゃあ……蔵はうちに何してほしいん?」




すると、蔵は急に歩くのをやめた。




「今すぐここで俺にキスして」






「は!?!?」






「あかん?できひん?」




「でっできるわけないやん!」




まわりにはそれほど多くはないけど、人がおるし…それにキスとかめっちゃ恥ずかしいやん。




「ほら、いつも俺からしてばっかりやろ?誕生日くらいあきからしてほしい」





「せっ、せやけどだからってこない人前でなんて」





「わかってへんなー(笑)周りに見せつけてやりたいんや。軽くでええから、な?」





軽くって…当たり前やん!


こないな場所でディープなやつはあかん!



「ほら、今なら人あんまおらへんから、チャンスや」





「………」




ほんまに?

蔵はもう目を閉じてて、だいぶその気。





そんな蔵に揺さぶられとるうち。




早ようやらんとあとが怖そうな気もした。




それに、蔵の無防備な唇をみてると………あかん。



したいって気持ちになってまうやん。




意を決して、これが誕生日プレゼントやと思って蔵に一歩近づいた。




>
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ