2nd season 「Time」
□緋の眼〜Feintより
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「Time」 Feint より 緋の眼
気が付くと、傍には誰も居なかった。クロロはおそらく団員と話をしているのだろう。四六時中、監視下にあっては、息苦しい。私が欲しいもの・・・安全な眠り。それは・・。
携帯を取り出し、やや、とまどいながら、メ−ルを打つ。
ただの、呟きだ。
『Aglsiq・・・・・U nuaa tiy.』
『Vkdgrz・・・・・L plvv brx.』
気付け・・・。
小竜、まだ、言えないか?
『影、来い!』
「・・・い!」
大事な言葉なんだ・・・
「強えぇんだか弱えぇんだか、わかんねえ」
「ったく。無駄に緋の眼に成るんじゃねぇよ」
「アカメノアト ネル フシギネ」
「つまり、その・・時間軸とか言うやつで、明日の分のオ−ラも使うってことだ。報酬を先払いにしてもらうから、後がキツイのさ」
「メンドクサイ セイヤク」
「そ ゆ こ と」
「あ〜もう、フェイと喋ってると、こっちまでつられる」
クロロの気配に、その場にいた全員が黙る。
全員が(お前が聞けよ・・なんで俺が?)と、なすりあう。
とうとう、フィンがクロロに向かって口を開いた。
「この後、どうするんだ?団長?」
いろいろ聞きたいところだが、それらをひとまとめにし、しかも短く、聞かれた方が答える幅が広いようにと考え集約するとこうなった。ぶっきらぼうで、聞きようによっては、ケンカを売っているのと大差無い、ちょっと危ない物言いだ。
クロロは、その耳に届いた響きに一瞬、ギロリとフィンを睨むと、同時に、その奥の「何が聞きたいか?」を即座に理解し、メンバ−ひとりひとりに目を流した。
「三日後の午前2時、セントラルシティの中央駅、コンコ−スに集合」
「向かう先は?」
「南だ」
「ちょっとまって、すぐに発っても二日はかかる。クラピカは大丈夫なのか?」
「それまでには、回復させるが、到着は皆の二日後とする。それまでに土地勘と情報収集を詰めてくれ」
「了解」
寄せられた情報は ガセ だった。
この人数で探し回っても、回収率は低い。何とも形容しがたい疲労感が団員を包み込んだ。これを単独で集めていたらどれだけの時間がかかるのだろうか?
所持者が全員、こまめにネットで情報を拾うとも限らない。だが、逆に、誰かが必ず持っていると思えてきた。
あとがき
いつもありがとうございます。12月ですね。今日は強風です。
「隠者の書」のあと「下弦の月」でダミ−を残し、ピカはひとりで旅団に身を寄せます。小竜と融合し、緋の眼も発現出来ますが、その時間は短く後の代償はつらい疲労感です。回収の時、フィンが確かめるまでもなく、クラピカは自分の眼が共鳴することで、本物だとわかっています。(団員に集めさせる為、これも黙っています)言葉を封印したまま、団員とは携帯のメ−ル機能での会話です。眼で指図するか、センリツやクロロが察して身の回りの細かい世話をやく。シャルの流した「そのお品、そっと処分いたします」のカキコミに、緋の眼の所有者達からの情報に基づき、淡々と回収作業をすすめます。
心の中は、シャドウでいっぱい。
離れてみて、ピカは痛いほど、守られていた自分に気が付きます。(なぜ?追ってこない?)やがてそれは不信に変化します。シャドウは本部に拘束され、条件付きで釈放されます。他の誰でもなく、俺がピカを楽にしてやる・・曲がった愛情は、やがて終焉をむかえます。
・いよいよ次回、「Mask」で、セカンドシ−ズン終了です。