短編   Feint

□Feint 共鳴
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「服でも宝石でもカネでも、食べ物でも、何か欲しいものは?」

欲しいものは?

Aglsiq    それ以外、何も・・。

( What are you looking for?)

((I'm looking for red 14 eyeballs.))

( What are you looking for?)

((I'm looking for My limitation a sense take an oath, Masuter.))

 私は・・・緋の眼を。
そして・・・何?なんだっただろう?

 とにかく、集めるんだ。
そして、センリツとバショウを解放する。
今、私が考えるのは、それだけだ。

 
  ・・・・・・何の気無しに月を見上げる・・・・・・右手の小指から、鎖が具現化され、ある方向へ真っ直ぐに伸びる。シャリン・・次の瞬間、鎖は形を保てずに砕け散った。










Look up
at the night sky.
See me
over there ?
Gaze
at the night sky.
I'm here
to watch over you.

よぞらを
みあげてください
そこから
わたしがみえますか
よぞらを
みつめてください
あなたをみまもる
わたしがいます





















小さな窓で切り取られた四角い空を眺める。その枠の中に、この時間では見える筈も無い月を探す。頭の中に、ピカの鎖が砕け散る様子が浮かぶ。おそらく、形を結ぼうとしても、安定しないのだ。念とはそういうものだ。


((Aglsiq → Shadow ))
  呼んだかっ? ピカッ?
  今、俺を・・呼んだな?

  !!

  これでは、発動しないんだ。
 「影来い」って言ってくれ。
 お前が、呼ばなければ、発動しない・・。
 偉そうな声を聞かせろ・・!何処に居る?

 居場所を知らせろ!追ってやる。

 俺が・・・ピカを・・・楽にしてやる! 









ワカ様の心が、今、遠くのシャドウと共鳴している。これほどまでに離れても、通じるものなのか?

 











『When Today somehow turns into Yesterday there's a strange moment between the two.
When Today turns into Tomorrow there's a strenge moment between the two.
That moment is the stars'long thread of time for sewing up that borderline
with a brilliant flash of light.

Yesterday,Today,Tomorrow--forever!』


『きょうがいつのまにか きのうになるとき
そのさかいめの ふしぎなじかん
きょうがいつのまにか あしたになるとき
そのさかいめの ふしぎなじかん
さかいめを キラリとむすぶ
ほしの ながいながい じかんのいと

きのう きょう あした いつまでも』










小さい時に、ワカ様と遊んだ想い出が蘇える。

「ワラベ、 ワラベ、 今日と明日の境目の時を告げる瞬間、南十字星を見上げよ! お前が私を好きならば、私の考えていることが、離れていても聴こえたり、見えたりするかも知れない」

 ワクワクして夜を待った。何が見えたり聴こえたりするんだろう?そう、思ったら、嬉し過ぎて、ドキドキした。ちょっと横になっただけなのに、グッスリ寝てしまっていたのだった。なにせ、小さかったから・・。あとで、泣いて謝ると、ワカ様は照れながら小さい声で言われたのだった。

 「すまない・・ワラベ。私もだ」

その顔が、真剣で、可笑しくて、笑い転げた。そのせいで、当分、口を利いてはもらえなかったっけ・・。






 大人なら、そういうことも出来るのかも知れない。

 でも、大人に成ると大変だ。ワカ様を見ていてそう思う。どうして、大好きなヒトから離れなければいけないのだろう?どうして、「ダイスキ」の短い言葉が言えないんだろう?黙ってダミ−と入れ替わり、さよならも言わずにここに来た。どうしているだろう?ワカ様は小竜と心でお喋りが出来るけれど、ダイスキな人は、ひとりぼっちだよ?ダイスキがダイキライになったりしないの?




 そして、そして、どうして、ワカ様はお喋りを他の誰ともしないの?



もしかして、石棺のオバケと、何かの約束をしたの?それとも、小竜が融合したせい?
ひとつだけ・・・それは、ワカ様の声との交換だったの?・・・それとも、シャドウがワカ様から、声をとりあげたの?

 そうなの?

 そうだとしたら、『シャドウの窮地の場合は、私より優先だ』  に、従えないかも知れない・・。

 『竜に、戻りたいか?』 の質問の裏には、こんな仕掛けが在ったなんて!もしも、「戻りたい」と、返していたら?ワカ様自分の寿命と納得して、死んで逝けたのだろうか?まさか、緋の眼を探しだせないまま・・納得なんて、ありえない。イヤダ!自分だけ千年の命なんて要らない!だから、これは間違いじゃない。
 誰か!ワカ様を好きでいてくれる誰かとお話ししたい。どうして、こんなに、こんがらがっちゃったんだろう?誰か聞いて!

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