daily of prince

□as is one's wont
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テニスは好きやけど、やっぱ休みだとそりゃ嬉しい。レギュラーメンバーも好きやけど(本人達の前では絶対言わん)、たまには会わない日もほしい。
休日最高や。

お気に入りの洋楽をそれなりの音量で流す。いつ聴いてもいい曲や。さて今日は何しようかな。椅子に座り、背を思いっきり預ける。

下がばたばたうっさい。大方客でも来たんやろ。真っ昼間から迷惑やな。こっちは久々の休日なんや。静かにしてくれ。少しの対抗として音量をあげる。ガキとかつっこむな。中学生なんてバリバリガキなんや。

階段を登る足音が聞こえてくる。頼むからドア素通りしてくれ。まぁそういかないのがお約束やな。ドアノブの音が鳴り響く。ドアが開く前に文句言ったろ。

「今日ぐらい好きにしたってええやろ」

椅子をくるりと回して開いたドアを見たと同時にぎょっとした。

「邪魔するでー、ざいぜーん」
「遊び来たでー」

前言撤回。休日最低や。
ほんまうざいっすわ…。

「なんで休日なのに先輩らとオマケに会わなきゃあかんねん」

冒頭でバリバリ言うとったやないか。会わない日もほしいって。何考えてんねん、レギュラーフルメンバーで来るとか(よく見たらでっかい二人はおらんかった。まあ多いということに変わりはあらへん)。しかも本人に無断で。ずかずかと入ってきて、好き勝手座ってやがるし。他人の家やからな、どんだけ寛いでんねん。ラブレスキモいうざい消え失せろ部屋入んな。迷惑や、マジで。
ちなみにさっきしゃべったのは部長と金太郎。

「だってプライベートで財前とあんま会わなへんもん。つか音楽うっさいな」
「うっさいのは先輩らすわ、ヘタレ。さっさと帰ってくれません?」
「ヘタレ関係ないやろ!白石、財前がいつもより辛口や!反抗期や!」
「いつも洋楽聴いてんの?」
「スルーっ!?なんや、みんなしてひどいやん!つっこんでなんぼやろ!」
「おもろいもんあると思たが、あんまあらへんな。めっちゃ普通やん」
「ディスプレイの仕方、めちゃめちゃキレイやな〜、泊まりたいわ〜」
「財前〜、わい腹減ったわー。なんかある?たこ焼き食べたいな!」

これは一人一人発言したんやない。同時にべらべらしゃべりだしたんや。学校の休み時間みたいにがやがやと。オレはどの会話を拾えばええんや。聖徳太子じゃないんやから。疑問詞の白石部長に答えるか。(正直言うとそれしか聞こえんかった)

「洋楽しか聴きませんね。(てかはよ帰れ)」
「洋楽はさっぱ分からんなぁ。心の声漏れとるよ。ええやないか。約束しなくても自然に集まって遊べる仲間なんてそうおらん。うちらはそれ程仲良しなんや」
「自然じゃなくて押し掛けっすよね、これ。迷惑や。親しき中にも礼儀ありって言うやないですか」
「まー怒んなって」

静かに二人だけで話してる感じするやろ?気のせいや。バックでは先輩らがアホみたいに騒いでうるさいんや。かわいい後輩消えただのいたずらしようとか。金太郎は、はらへりコールがうっさい。
怒りたくもなりますわ。しかも人のパソコン勝手に立ち上げてるし。プライバシーの侵害で訴えるぞコラ。

「ざいぜーん!餓え死ぬ!行き倒れる!餓え(かつえ)死にする!怨み死にしてやるぞ〜!」
「うっさい!どれも同じ意味やん。Takoyaki Rockでも聞いてろ!先輩らなにしてんねん!」
「たこ焼き6こっ!?あんのかっ!はよ出してぇな!」
「お前作曲してんやな〜。おたまじゃくしはよぉわからん」
「金ちゃん、我慢や。ひとん家やで」
「歌詞アタシらで書いたらええやん!きっと最高傑作が出来るわよ」
「よっしゃ!あれやな、やっぱ恋愛のを書くでぇ!」
「えーっ!?わい食べなきゃ死んじゃう!」
「なに言うてんねん!ここはスピードスターというタイトルで青春の歌詞のほうがええよ」
「そんなワケないやろ。これ以上騒ぐんなら…毒手やで?」
「ダメに決まってんやん。恋愛や恋愛。スピードスターは白石がもう歌っとるやん」
「忘れとったわ。毒手も歌っとったな」
「毒手!?ぉ、大人しくするから勘弁やっ!」
「ちゃう毒の華や」
「……………」

大人数故のカオスや…。二つの会話が微妙に噛み合ってるし。もうええ、勝手にしてろや。休日なんてあって無いようなもんやん。

「財前〜、紙とペン5本貸して」
「そこら辺の使えば?」
「うお、投げ遣りやな…」
「まあええ、借りるよ」
「終わったら帰ってくださいよ」
「了解〜」

なかなか帰んないのは目に見えとる。さーて、何すっかな…。といってもやる事がないのが事実(パソコンも使われてるし)。しゃーない、宿題でもやるか。偉すぎるわ。こんなうるさい中宿題とか。ご褒美にあとでぜんざい食べよう。


溜まるに溜まった宿題を(1ヶ月分は余裕であったかも。提出期限?んなもんとっくに過ぎとるわ。それでも受け取ってくれるのは義務教育の特権や)処理し終わったのは…。どんぐらい経ったかなんて知らん。先輩らも仕上げ終わりや〜とか騒いでるから、まぁ結構経ったのとちゃう?日はもう沈んだ。(って相当経ってるやん!)

「ええ加減帰ってくださいよ」
「おー、帰るで〜。あとでその紙よー見てな。部長命令や。じゃなきゃ毒手やで〜」
「職権濫用しないでください」
「いい休日やったな!」
「ご自慢の早さでさっさと消えてください」
「また来るからね、光」
「もう一生来ないでください」
「今度はいいネタ持ってきたる!」
「迷惑なんで他人家にしてください」
「め〜っちゃ楽しかったでぇ!」
「楽しくなかったし迷惑やった。さっさと帰れや」
((言い方ひどくなってきたな…))
「ほなまたな〜」

やっと帰ったわ(玄関のドアの音がしないから、実際はまだ家におるんだけどな)。どんだけ居座ってんねん。プライバシーの侵害もいいところやん。アポなしで来るとか人間としてどうよ。ドアの音がしたからやっと出てったわ。
で?紙を見ろだっけ?

「…ごんたえくすたすぴーどろっくまねぴあすはどうだばい」

……………。

タイトル?
よく見るとメモ書きっぽい。他には

『金ちゃんゴンちゃんやってきたで〜』
『光の家に来たよ』
『たこやきは?』
『スピードスター参上!(色は黄色希望)←意味わからへん レンジャーの話や 食いしん坊のポジションじゃん スターって言ったら黄色やろ? 確かに』
『光の機嫌悪いな そうもう』
『たこやきは?』
『んんー!絶頂!』
『悪いのユウくんのせいや みんなやろ』
『たこやきは?』
『けんやの番やで これ順番なの? 金ちゃん多いやん』
『何書けばええ? 音楽うるさいとか キレるからやめとけ』
『なぁたこやきは?』
『しつこいで 寝てて 金ちゃんは出来上がんの待ってて そしたらひまやん!なかまはずれやー! ケータイ貸すから←使い方知らんやろ やだ 毒手 たこやきおごってな? 割勘で買ったる』
『裏見てな!←重要!大切!』

意味分からん。白石部長…。そんなの書いてどないする。紙の上で会話って面倒くさい会話やな。文字で誰かよく分かるなぁ。つかアホや。アホすぎる。
裏にちゃんと書いてあるんやな。

―――
We'll be thinking of you

気にしたところで何も始まんない
だったら全力で走るまででしょ
だからなにも考えない

離れてたって仲間であることに変わりはない
自信を持って 前へ進め

星を追い掛けて 掴み取ろう
大丈夫 出来るよ 自分を信じて!
でも忘れないで
一人じゃないことを
いつもそばにいることを

この時間(とき) この場所
この仲間達で作る思い出は今 この瞬間でしか作ることが出来ない

だからいつも笑顔で
たくさんの思い出作って
胸に刻もう

いつまでも君は君らしくいてね
石に躓いても 道に迷っても
大丈夫 平気だよ
君の光が 未来へ導くから
遠くにいても見守ってるから

幾千の小さな星が 様々な色で輝くように
白いキャンパスに 自分の色をちりばめて
ゆっくり 自分の足で 歩きだそう

いつまでもずっと仲間
どこへ行こうと 心はいつも一緒
だから忘れないで
君には 僕達がいる
離れても 逢えなくても
いつまでも ずっと
かけがえのない仲間だよ

Give it to Hikaru.z
And Kintaroh.t
Form Regular 3grade

―――

めっちゃ真面目な文やな…。意外すぎてびっくりしたわ。嬉しいっすわ、先輩ら。…でもこれどうしろと?作曲しても自己満やからどこかにアップするわけでもないし、むしろ歌詞なんて今まで付けたことないねん。
…まあええ、これも立派な思い出やな。多分(色んな意味で)忘れることなんてないわ。

今日のブログはこのこと書こう。

―――
押し掛け訪問

休日なのに先輩らと後輩がアポなしで来た。迷惑や。休日返済してもらおう。
手紙(?)は嬉しかったっすわ。メッセージを詰め込み過ぎてたけど。英訳して使ってみようかな。
あ、ぜんざい食べ忘れた。

―――


やる事を全部やって(夕飯や風呂などな)寝ようか思ってたら、携帯が光って着信を知らせとる。

「…16件?」

見てみると全部ブログのコメントやった。見てみるか。

―――

『一番乗りや!珍しく嬉しがってるな!けど英訳ってなんかひどくない? け』
『オレも行きたかった〜。オレが言ったのも入ってんの?け→きっと恥ずかしいんだよ ち』
『みんなの漢字入ってるからよう見てな。休日返済はしないよ。ち→ばっちり入ってるで し』
『師範のも入ってるでー け』
『真面目なんてキャラじゃないな。手紙はぜんざいと同レベルか ゆ』
『気に入ってくれて嬉しいわ〜 こ』
『ゆ→たまには先輩らしいところ見せないとな!オレもそれ思った け』
『どんな文か気になるから送ってよ ち』
『誰かメモってたっけ? し』
『誰もしてなくね? ゆ』
『アタシしたわよ!ゴンタに書いて渡そうと思ったからね。後で送るわね こ』
『よろしく〜 ち』
『携帯持ってるくせに使い方分かってないし、持ち歩いてないもんなぁ け』
『意味ないやん ゆ』
『かわええやん し』
『てか本人遅くない? け』

これコメントか!?チャットやんか!どんだけここでたむろってんねん!個人的なのはメールで話せや!こいつらはなにを期待してんねん!

でも、そんな関係もいいな。先輩らに出会えてよかったすわ。素直じゃないから言わないけど。ま、それはみんな知ってるか。そしてそれが照れ隠しってのも知ってるからいつものように一言で十分や。

『うざいっすわ』


end



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