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拍手・仁王
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「マネージャーになってくれんかのぅ」

「イヤだ」

「じゃあ一緒にサボらんか?」

「もう!さっきからしつこいよ?」


質問を否定してはまた質問。
私の前の席である仁王は一体全体何が楽しいのか、1限目の休み時間からずっとこの調子だ。


お弁当を一緒に食べようとか、あれくれこれくれ、どっからそんなに質問が湧いてくるんだろう。


丸井のところにでもさっさと行け!と言いたいけど、毎時間といっていいほど、クラスにいない。
仁王も行けばいいのに、と思うけど、彼は必要以上に馴れ親しまないタイプだと思うのでしょうがない。


いやでも必要以上に絡まれているこの状況でそう思うのもおかしいか。


「仁王ってさ、変わってるよね、性格」

「ピヨ」

「なにそれ、肯定文?」

「お前さんにとってはなかなかいい機会じゃなか?」

「言葉のキャッチボールちゃんとやろうよ」


はあぁ〜とため息を吐いて頬杖をする私。
何を考えてるか分からない。ブラックボックスだよ。何がいい機会なのさ。確かにこんなに話をいっぱい出来るのは嬉しいけど。
ってまるで私が仁王の事を好きみたいじゃん。


「ため息を吐くと幸せ逃げるぞ」

「誰のせいだと思ってるの」

「ひとついい事を教えてやるぜよ」

「結構です」

「オレはな、好きなコが出来たら、どんな手を使ってでも、必ず“好き”と相手から言わせてみせるぜよ」

「はい?」


タイミングを計ったかのように、ちょうどチャイムが鳴り、にやりと微笑みを残して前を向いた。
なんかちょっとムカつく。


そんなアンタに惚れたのよ


お題:ひよこ屋


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