文章

□スローペースマイペース
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退屈なんだよ



「しらねーヨ」
「なんか面白い事しねー?」
「しねー」
「即答かよひでぇな」


昼休み、普通ならば授業に出ているはずの高校生のはずの僕たちは、
繰り返される日常に退屈していた。


「……何それ」
「かっこよくね?イイ感じのモノローグ」
「モノローグ口に出してどーすんの」

まあ細かいこと気にしなさんな、そう言って青年はむくりと起き上がる。


「……、どした?」
「太陽があったかくない」
「私にとっちゃ太陽を暖かいと感じた事は無いネ」
「だろーなァ」


ただ空を見上げていて、真下にあるグラウンドからは体育であろう下級生達の掛け声が聞こえてきて、横では好敵手の女が寝てて、俺は喉が渇いていて、


もう全てがスローになった気がした。

チャイムはまだ鳴らない、掛け声は止まらない、チャイナは起きない、俺の喉は潤わない、何もしないから何も変わらない。

そんな瞬間が俺は好きだった。


全てがこのまんまなら良い
もう止まってしまえば良い
終わりなんて来なくて良い


じりじりと太陽が俺の肌を攻撃して、顎から汗が一滴垂れた。

「あついアル」
「そーでしょーねィ」
「喉渇いた」
「奇遇だねェ、俺もだ」


いつの間にかチャイナは起きていて、まだ掛け声こそ聞こえるけどそろそろ活気が失くなってきて、



「ジュース買いに行くか」
「うん」



そして僕らは渇いた喉を潤す。




時間は止まらない、でもこの一瞬が僕の永遠なんだ



「あ、やばいアル、財布教室ネ」
「まじでか」





END

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沖+神






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