‐Novel(T)‐
□White or Crimron
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「こんにちは本田君」
「…ようこそイヴァンさん」
その日は珍しく雪が積もっていた。小さな彼は雪を掻く手を止る。
「どうかした?」
「いいえ 昨日は相変わらずの大雪だったので」
それは子供がだだをこねるような声にも聞こえなくなかったが、明らかにそれは喧嘩口調だった。
「… 何か言いたげだね」
「別に何も」
積もった雪は、二人の間を静かに溶けて水のように流れてく
「…貴方は雪おとこですか?」
その問に、彼はふわりと笑う。
「好きに解釈すればいいんじゃないかな」
それは良い意味なのか、良きせぬ意味なのか、
「また呪いですか」
呆れた様子でため息をつく
「僕はね、君に呪いをかける気なんて更々無いよ」
貴方は雪嵐
わたしの心をかき乱す
「誰がそんな嘘を…」
信じるものか、
彼は、嬉しそうに笑う。
いや、正しく言えばこうか
一瞬のうちにわたしを凍らせる
氷点下の世界
「見え見えなんですよ」
貴方のことは全部
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