‐Novel(T)‐

□大嫌いな人
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【大嫌いな人】






「まぬけ」

「うるせぇ」

「子供に負けるなんて」

「まぐれだ」

「いつもだ」

「…これだからガキは嫌ぇなんでい」


最後には必ずサディクが折れる。いや、彼にしたら折れたわけではなく、もとから相手にしてないという意を表す台詞なのかもしれない。


「…なんで逃げるんだ」


瓶をつかみ取り一気に飲み干し口を拭った。

「逃げるってなんでい お前の目にそう見えてるだけだ」

「違う」


「違わねーな」


この口争いは、永遠と続く…
彼の心が、満たされるまで



「……………」



その目つきの悪さ、誰に似たろう?


その癖毛は、誰に似ただろう
















「来いよ」











頭が圧迫されるような衝動に駆られる。 たぶんこれは…





「俺んとこまで、這い上がって来い」














怒り






「誰が行くか」



仮面の奥の瞳が、うざい。
一度だけ光り、にたぁ..と笑う


「勝手にしろってんでい」


彼は自室に戻る。
小さな子供を廊下に残して。


俺は絶対あんな奴みたいにならない

地中海を支配だなんてしないし、あんな能無しになんかにも絶対ならない


彼もまた、くるりと方向をかえて昼寝前に食べようとしていたムサカ作りをしに向かうのだった。



>>END
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