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□福は内、鬼も内…?
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【福は内、鬼も内…?】











「これを食べるのか?」

差し出された豆を何粒か手にとった。

「それは投げるんですよ」

その台詞に驚いて菊を見ると、いつも物事を教えてくれるときの微笑み方をしていた。

「…どうかなさいましたか?」

視線に気づいたように心配してきく。


「食べ物を粗末にしない菊が豆を……っ!!」


何かの前兆ではないかと恐ろしくて手をワナワナと震わした。

「ちっ、違います! これも立派な日本文化です!! ぁ、でも食べたりもしますよ?」

「なんだ… 投げた豆をまた拾って食べるのか..」

「ハトじゃないんですから!!」

慌てふためく菊に首を傾げる。 何がいけなかったんだ?


「今日は節分と言って悪い鬼さんを追い出し、代わりに良いことがあるようにと福を呼ぶ日なんですよ」


「…それで投げるのか?」

「はい、鬼さんは豆が苦手なので..」

それでなっとくして再び豆を手にとった。
これを撒けば、菊の家に福が来る。


「食べるのは?」


「年が迎えられるようにと、歳の数に一つ加えて食べるんですよ」

「菊はいくつ食べるんだ?」

「あとは巻物を恵方を向いて食べます」

「菊、年齢いくt「用意してあるので後程頂きましょうね」

「???」

なんで なんで菊怒った、 なんで? なんで菊怒った?? と頭をかかえてう〜んと唸るヘラクレスに菊はふわりと笑う。

「良いですか? 描け声はこうで、こうやって投げるんですよ」



福はー 内! 鬼はー 外!


瞬間、ヘラクレスの顔がぱぁああああ と輝く

「やる やる 俺も!!」

菊が子供を見守る母のような顔つきを見せるが今は何でも良かった

「…ぁ! この家には優しい鬼さんもいるので気をつけてくださいね」

優しい鬼…
豆を当てたら相当大変なんだろうな

強く頷いた

ヘラクレスにとっては何もかもが一生懸命なのだ

よし、

「福はー 内! 鬼は――…」





その時、鬼の仮面が… ひょっこりと………


「おっ… 」


「待って下さいヘラクレスさん!!!!」



「鬼だあぁああああ」

「わっ 止めろばか野郎!!」

「へ、ヘラクレスさん!! それは優しい鬼さんです!!」


… !?

そんな、俺はやってしまった… のか… ?


鬼は体制を整え、その仮面を外す

「てめぇ!! 絶対知っててやっただろうが!!」

「サディクだ――――――。」

しゅぱぱぱぱぱぱぱ

「わっ 止めろばか野郎!!」

「死ねサディク 消えろ消えろ サディク外――!!!」


「ッ止めろってんでぃ!!!」


ハッ

「――… なんだサディクか… 俺はてっきり..」

「てめぇ俺の名前叫んでたじゃねぇかよ!!」

「まぁまぁ二人共!!」

そこでわって菊が入る。



「せっかくの誕生日を台無しにしては駄目ですよ!」



「え」

「菊… おめぇさん..」

菊の台詞に、きょとんとして二人の顔を見た。


「ぁっ」


まるで物忘れを思い出したように口元に手の平をそえる

「もぅっ サディクさんの所為ですよ」

「俺の所為なんでい!?」




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