君のいる世界
□プロローグ
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この世界は狭すぎる
そう思い始めたのはいつの日だったであろうか.
そんな世界の中で、満たされない人は何を願おう一欠片のパンよりも、たった一つの小さな愛を望む者ばかり。
そう考えると、こんなにも近くに人はいるのに…
世界が遠く見えてくる。
世界中の全ての人が誰かに愛を求めていた。
そしていつしか結ばれ幸せになり。生きているという素晴らしさを感じる時間が訪れる。
そんな日が来ることを夢に見て―――…
だが、しかし、そう全ての望みが叶うだろうか?
結ばれなかった人
愛されなかった人
あるいは、愛した人を奪われた人
その人達は一体どうなる?
彼らは乾いた土に涙を零し、そこから出た芽を酷く憎み 愛さえも憎悪に替えてしまう。
その芽が自分を愛すために生まれてきたのだとも、考えもせずに――…
わたしは一人佇む
わたしが――した方は誰?