闇と光
□第二章
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〜京・同所〜
赤髪の髪を高くにくくっている少年とも青年とも見える彼は目を覚ました。
主「(ここは?)」
そう思い体を動かそうにも声をだそうにも出来ない。
なぜなら体は縄できつく結ばれ口にも詰め物をされ声を発することが出来ない。
緋村「(何故このようなことになった?確かあの時刺客と対峙した時に濁流に飲み込まれて……くそ!それからの記憶が無い)」
気が付けば見知らぬ天井、しまいには縄で上半身だけだが括り付けられている状態、いつも沈着冷静であれどやはりこの状況には冷や汗をかいた。
そう考えていると、遠くからこちらに向かってくる足音に気付き体を起こし扉を睨みながら様子を窺っていると、扉が開き少し驚いた山崎と呼ばれた男性がこちらを見ていた。
山崎「っ…起きていたんですか、今縄を外すのですみませんが少し大人しくしてください。」
山崎は驚きながらもそう言うと縄で括られた青年の後ろに行き縄を解いた。
山崎「口の中の詰め物も出して貰って結構です。」
そう言われて縄を解かれた青年は口の中の詰め物を出して尋ねた。
緋村「ここは?」
怯えも恐れもなく紡がれたその言葉に山崎は多少驚きながらも平常を装いながら答えた。
山崎「ここは新選組の頓所です。すみませんがこれから広間について来ていただきますので手は縄で括らせてもらいます。」
今居る場所を答えそれからすぐに縄を手首に括りその縄を腰に巻きその先を山崎が手で持ちながら部屋から出るよう言う。
緋村「(新選組だと…くそ、まずいことになった。)」
青年は焦りながらも顔には出さずにそれに従った。
部屋を出ると自分と同じ様に縛られた男装した少女と髷をした男性がいた。
井上「それじゃあ行こうか」
そう言い移動しようと歩きだすと山崎が井上に向かって言った。
山崎「では、俺は先に行きます。」
井上「わかったよ」
井上の返事を聞いて山崎は先に広間の方へ歩いて行った。
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