◇◆long story◆◇
□≪Training-lesson1-≫
1ページ/7ページ
―時代は戦乱の世―
皆、天下をとるために合戦を繰り返す。
「サヨナラ」の別れの言葉も言えず、消えていく人々。
誰が誰の命をとってもおかしくないこのご時世。
戦場で―武田軍所属の虎は、目を奪われた。
蒼い装束を身にまとい、弦月を輝かせて戦場を駆け抜ける姿は稲妻の竜のごとく。
好敵手として何度も手合わせした。
その度に触れたい、触れられたい、抱きたい、抱かれたい―愛されたい。―
叶わない願望が体を巡る。
だが相手は伊達軍の、独眼竜。
今のご時世に、恋…しかも相手は敵。
恵まれない恋だろう。
そう思っていた矢先、神が奇跡を彼に与えた。
この奇跡は、喜ばしいモノなのか?
哀しいモノなのか?
この時の虎はまだ知らない。
たとえ神の気まぐれな試練でも。
哀れと思った神の慈悲でも。
大勢の人を殺めたことに対する怒りの天罰であっても。
―モウ、ニゲラレナイ―
【調教-レッスン1開幕-】