◇◆short story◆◇

□§Merry X'mas§
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「ジングルベールジングルベール鈴が〜なる〜♪」

今日も朝からハイテイションの幸村は朝起きてからずっと、クリスマスソングを歌っている。

「もう分かったから旦那黙ってよ…。」

同居人の佐助としては、耳にたこが出来るほど聞いているので、正直キツい。だがそんな佐助もクリスマスを楽しみにしていた。

―クリスマス―

そう、それは恋人同士が楽しみにしているイベントの1つ。この高校でも朝から恋人達が一緒に登校していたり、学校内でプレゼントを渡している姿などがチラホラ見える。

「竜の旦那…今日燃えちゃうんじゃないの〜?」

佐助はニヤニヤ笑いながらコソッと幸村に耳打ちする。なんせあの政宗だ。今までの誕生日やクリスマスだって、遊園地を貸し切ったり、海外の島を貸し切ったり、プライベートビーチで過ごしたり…とにかく政宗はイベント好き。

「なっなっな!破廉恥でござるぞ佐助ぇえ!!」

幸村は顔を真っ赤に染め、後ろに素早く後退した。

「Good morning my honey!」

幸村を後ろから抱きしめたのはもちろん、政宗。幸村の抵抗を無視し、政宗は幸村を連れて教室から出て行った。

「あっ右目の旦那〜おっはよー!」

佐助も愛しの恋人が来たかと知れば、小十郎目掛けて全速力で走り、抱きついた。

「なっ…猿飛!こんな所で…「名前で呼んでくれないんなら、俺様今日は一緒にいないよ〜?」

小十郎はシャイな性格上、学校では佐助との交際を秘密にしている。なのに佐助はあえて小十郎に名前を呼べと強要するのだ。当然小十郎はだんまりを決め込む。

「…じゃあ俺様小太郎の所いこーっと!!」

佐助は不適な笑みを一瞬見せ、次にくる逆鱗を逃れるため脱兎のごとく廊下を駆け抜けた。

「猿飛ぃぃぃい!!待ちやがれぇぇぇえ!!!!」
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