◇◆long story◆◇
□≪Training-lesson1-≫
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「ほらっ!立てよっ!!まだ終わらせねぇぜ!?」
「っ…うぉぉお!」
―川中島―
信玄と謙信の合戦を好機に、伊達軍は奇襲をかけた。それにいち早く気づいた幸村は、邪魔をさせないと政宗に立ちはだかった。
「ぐぁぁあっ!!」
幸村は、政宗に傷を負わすことは出来なかった。否、傷を負わさなかった。肝心の時に力を緩めて、政宗に傷を負わすまいとして戦ってしまった結果がこれだ。
「負けて…しまったでござるな…。」
地に倒れ込み、肩からは鮮血がとめどなく流れ出た。
「さあ、伊達殿。某の首を…。」
もう人生が終わるというのに、幸村の表情はとても喜々としていた。
「……。」
政宗は無言で刀の切っ先を幸村の喉元にあてた。幸村は自分の人生を噛み締めるように、ゆっくりと双眸を閉じた。
そして幸村は意識を手放した。