sky/monster

□Chapter.3 the crusher
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基地内の談話室は、天窓からの光が唯一の光源だ。
深刻な顔が、テーブルの上に3つあった。
「隊長はニャにを話しこんでるんニャ?」
1つは整備士見習いのムサシ。僕の右席についている。汚れたツナギがその存在を主張していた。
「あの第三王女ですからねぇ。『そーゆー』噂もたってるみたいですし」
第三王女にたっている噂は星の数ほどあることを知ってか知らずか、残りの面々を煙に巻いているのは、飛行兵のカルナ・ミレイユ。僕からみて正面の席についている。まだ新米ではあるが、センスのよさが垣間見える空軍少尉だった。栗色の髪が黄色い声にあわせて揺れる。
「ほほう。是非ともご一緒したいね」
と、頬を何故か染めたマーク・ケティン中尉の額に、僕は手の甲を軽くぶつけた。彼は僕のすぐ左に居たから、それは簡単だった。
「何考えてるのさ?」
「ん? カルナ君の言った『そーゆー』噂についてだが?」
端正な顔立ちと青い瞳がこちらに向く。
「じゃあ、マークはその噂をどんなものだと思ったわけ?」
マークは僕の方を見ながら、顔を近づけるよう身振りで示した。ムサシも聞き耳をたてている。マークは、ぼそりと言った。
「『第三王女は女喰らい』という噂だと解釈した」
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