sky/monster

□Chapter.3 the crusher
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僕とムサシは頭を抱えた。曰く、お前は男だろうに。
しかし、とマークは腕を組んだ。曲がりなりにも最年長の発言に、僕は耳を傾ける。
「会談にしては異様な長さであることは間違いないネ」
カルナが上体をテーブルに投げた。
「辺境の基地に何しに来たのかな?」
「クーデターかもニャ」
第三王女ならば、と心の中では思いつつも、僕は冷静に切り捨てた。
「ここの戦力じゃ、第一種航空部隊だって倒せないよ。僕らは対飛竜専門だし、王国にはあの『蒼豹』の特務部だっている」
第一種は軍隊としての空軍。第二種、つまり僕らはその他の任務(主に飛竜討伐)を担当する。第三特務部はその両方をこなすエース部隊だ。
僕は先日の軍部再編についての意見を頭の中でまとめ、言葉にしたその時、
扉が開いた。
隊長室。
滑走路を直接見ることができるその部屋から零れる光が眩しい。
「アージュ少尉」
光を背負った先生の声。
僕は立ち上がり、敬礼する。
呼ばれていると気づいたのは、マークがそっと僕の背を押した時だった。
……あまり良い感じではない。
先生の執務室は見慣れているが、その中にはあの第三王女がいる。
足は前へ。
談話室からの視線も痛い。
それでも前へ。
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