ダス テアータ

□1幕
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その後、ビクビクしながら入室した私に、ルッス姉が資料を渡してくれた。






私は直属の上司であるベルさんの隣に立って、その資料を読む。








そこには、あるファミリーの組織構造や経歴、そのファミリーと繋がりのある組織名が数枚にわたり書かれていた。








(あれ? このファミリー名どっかで聞いたことあるなぁ〜?)






私が思い出せずに悶々としてると、ルッス姉が声を上げた





「あらぁ? ボス、これって最近 急速に力を付けはじめたとこでしょお?」





「ルッスーリア、なんか知ってんの?」





ベルの、その言葉にルッスーリアがザンザスを見る




『私が言っちゃっていいのかしら?』




ルッスーリアからの視線での問い掛けに、ザンザスは閉じていた目を開け、ルッスーリアを一瞥すると、また目を閉じ無言を返した。





その沈黙を『OK』と判断したルッスーリアが説明を始める。





「なんでも、このファミリー、最初の頃は凄く弱小だったみたいよ。 それが、他の弱小ファミリーや組織と交友を持ちはじめたそうよ〜。それで最初はお互い助け合っていたらしいけど、だんだん、このファミリーが主導権を握ってきて、いつの間にか、交友関係のファミリーや組織を乗っ取ると同然に吸収しちゃってたわけ」




ベルは小首を傾げる




「別に珍しくなくね?」




「ここからが問題なのよぉ」



ルッスーリアが『ねぇ、ちょっと聞いて』と他人に話しをふる、おばさんの様に手をピラッと振った



「そのファミリーったら、近隣のファミリーを吸収するわ妨害するわで、ちょっとした騒ぎになってるのよぉ」



「………ルッス姉、それ、当事ファミリーからしたら、ちょっとどころじゃないんじゃ……」



「それだけじゃないのよ。困った事に、最近では一般人に武器や麻薬まで流すせいで、ただでさえ自分のシマを荒らされたファミリー達が収縮に困ってるのに、この事態に乗じて、同盟ファミリーと敵対するファミリー達の動きまで活発になってきてるのよぉ」






私は呆然とした



(それ、かなりヤバイんじゃ?)











その時の私は、思ってもみなかった


そのヤバイ事態のど真ん中に、自分が投げ込まれるなんて




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