暗い暗い暗い
朝も昼も夜も
俺が照らされるのは
お前が扉を開いた時だけ
開けた扉から差し込む
些細な微かな光に
もう青い空と眩しい太陽は
見られる事はない





目を覚ましたら見慣れ無い天井とズキと頭に響く痛み

「っ…、」

痛みに耐え頭を抱えながら辺りを見渡すが、暗く何も見えなく自然に今は夜なのかという考えが脳内に浮かんだ

「俺…なんでここに…」

ガチャという音と共に差し込んだ光が暗い部屋を照らす、いきなりの光に眩しく眼を細めた俺の目に、1つの人影、それは俺へと言葉を紡いだ

「阿部、目覚めたんだ」

それは聞き慣れた声、それを聞いた時俺は安堵した

「泉…、俺、」

「頭、痛むか?」

俺の言葉を遮り言葉を紡ぐ泉、俺に近づきながら、頭の痛みの原因を泉は知っているのだろう、そしてここにいる理由を

「あ…大丈夫…、泉、俺何したんだ?てか、ここどこ…っ、」

問う言葉を発していると、俺に近づいていた泉はすぐ目の前にいて、痛む頭を少し乱暴に触ってきた、俺は痛みに言葉を止めた、泉を見上げると、俺は言葉を失った

「やっと、阿部は俺のものだ」

泉がここに来るまで気づかなかった、見えた


のは血まみれな顔、服にも飛び散っている血、恐らくそれは泉のものではなく、誰かの―、ニヒルな笑みを浮かべながら泉が口にする言葉を理解出来ずにいる俺をよそに、更に言葉を続ける泉に頭がついていかない、―俺だけの阿部、もう田島は居ない、変な虫がつく事はもうない―、1つの言葉だけ俺の頭は反応した

「…え?たじ…ま…」

「田島?大丈夫、田島はもういない、」

俺が殺したから、そんな言葉をまるで挨拶をするかのように軽く言い放つ

「殺し…たって、泉、」

「田島と付き合ってるなんて、許さない、阿部は俺のものだ」

「なに…言ってんの?冗談も大概に…」

「阿部…俺だけの阿部、もう何処にも行かなせない」

泉、そう口にしようとするがそれは許されなかった、いきなり泉の唇により俺の口を塞がれたから

「っ…、いず…み…」

「、阿部…」

「んふ…っ、いず…」

言葉を紡ぐ俺が口を開いた隙間から、泉の舌が入り込み口内を犯していく、もう何がなんだかわからない、田島を殺した?俺は泉の?今の状況は…何


「ふっ、は…、なに…すんだよっ、」

「何って、キスだけど?」

「っ…!そういう事を言ってんじゃねーんだよ!田島を殺したとか、俺は泉のものだとか…、意味…わかんねーよ!ここどこだよ?!俺、なんでここにっ…!っ、かはっ…!」

頭がついていかない俺が泉に一気に言葉を口にした瞬間、泉の手が俺の首を締め付ける

「だから、田島は殺した、冗談なんかじゃない、阿部の隣にいつもいて、邪魔でしょうがなかったからな」

「っ、はぁ…く、」

「んで、その邪魔者がいなくなった今、阿部は俺のものな訳」

わかる?、と目の前にいる相手は、本当に軽い口調で言うものだから、俺は信じる事が出来くて、でも、顔と服についた血と、この首の痛みは、本物で

「あ゛ぁ…いっ、くぁ…ずみ、ぃ」

「阿部にまた悪い虫がつかないように、阿部はもうここから出さない事にしたんだ、阿部、阿部は利口だからわかるだろ?、俺に逆らわない方がいいってこと」

ギリリと首を絞める手の力が強くなる、俺はもう酸素を上手く吸えなくて目の前がかすんで―

「っ、…」


「…絞め過ぎたか、ごめん阿部、でもこれからは優しくしてあげる、ずっと、ずっと…もう何処へも行かせない、」

ジャラと金属同士がぶつかる音が響く部屋の中、気を失った阿部の手足に、銀の枷をつける、元はベッドの足につけて、阿部の自由を無くす、だって阿部に自由なんていらないだろ?阿部は俺のなんだから、あ、考えてたらなんだか顔がにやけてきた、口元を手でおさえるとヌルと血が手を汚した、それはあいつのもので、死んでも俺を苛々させるのか、まがまがしい

「田島の血とか…吐気がする、阿部が起きる前にシャワーでも浴びるか、…阿部、起きたらちゃんと教えてやるよ」

田島の死に様とかお前を監禁したこととか俺がどれだけお前を愛してるのかを…な、

そう呟くと、気を失っているそれに軽く口づけをして、狂ってるそれは笑みを浮かべながら部屋から出ていった




光と自由を無くした男と
理性と正気を無くした男








































M:病んでる泉君。初作品、ぬぼーん。

2009/11/17


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