好きという感情には沢山あるらしい。親に対して友達に対して異性に対して。友情恋情愛情。英語で言うとらいくとらぶ、でぃあは親愛なる…手紙とかに使うやつ、ちょっと違うか。勉強は得意じゃないけど、こんなバカな俺にでもわかる。恋なんだ。でもなんか恋情ってやつだけじゃない全部抱いてるんだ。友達として一緒に野球やってて、すげー楽しい。異性じゃないけど一緒に話してると胸がぎゅってなる。母ちゃんや兄ちゃん達とは違う、あいつの寂しい顔見ると守ってやりたいって思うし、笑ってる顔見てても守っていきたいって、うん、愛しいってやつだ。今まで、感じたこともなかった感情で。胸が苦しくなる。でもそれって、すげー好きってことなんだって、嬉しくなったりする。男に対してそんな風になるのは普通じゃないってわかってる。わかってるけど。そんなん気にする俺じゃねー。こんなぐるぐる考えてんのも俺っぽくない。だって、好きなんだ。ただそれだけ。ただ、大好きなんだ。たまたま…うんや、好きになったのは男で――














「阿部ー!」

「あー?」

「好きだー!」

「…はあ!?」

「大好きだー!んで、甲子園ぜってー行くぞー!」

「っ、お前!訳わかんねーよ!」

「にしし、ゲンミツに甲子園!ゲンミツに阿部に振り向いてもらう!」










――阿部だから好きになったんだ。ゲンミツに。


























M:ほとんど田島独白。でも書いてて楽しかった。俺ほいほいな自己満な書き物。

2009/11/17


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