「はあ…」
「お前、それ以上幸せ逃してどうすんの、クソレに拍車がかかるのはごめんだ」
「…色々と酷い、…あれ?阿部ー、花井は?」
「先生から呼び出しくらってる」
「花井がー?めずらし」
「教材運べって、そういう呼び出し」
「やっぱ花井はそういうキャラだねー、苦労人っていうのが定着しちゃってる」
「ハゲが酷くなるな」
「はは、花井がきいたら怒るよー」
「本当の事だ」
「これは坊主だー、って、律義に答える花井はいつも笑える」
「…お前、何」
「へ?…何が、何?」
「お前、今日変じゃん、無駄にテンション高いのがお前の唯一誇れるとこだろ」
「…な、ぐさめるんならもっと優しくしてよー…、なんだよー」
「どうせしょうもない事だろ、お前が悩み事なんて」
「むー…、ちゃんとしたことだもーん」
「あそ」
「…んー」
「…」
「っ、わ…」
「バカ谷のくせにいっちょまえに悩んでんなよ」
「…バカ谷なんて人いませーん」
「にやけてんな、キモイ」
「阿部さんのせーでしょ」
「…バカか」
「俺、阿部バカかも」
予想してなかった、
そもそもそんなこと
ありえないって
彼らしい言い方
優しいなんてお世辞でも言えない
でも気づいてくれて
頭の暖かい感触も
彼なりの優しさ
自分を気遣う言葉と
自分の頭に置かれた手
((…阿部が頭撫で、てる、俺の、))
(…いっそ坊主にすれば)
(っ、いた!いたい!髪!、いたいいたいいたい!)
(…お前ら何してんの)
M:んんー。もっとこう…なんか米の感じが、んー。 苦労人は最後まで苦労人の件。
2009/11/17