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□教師が見た彼らの授業参観風景
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っていうか謎の生徒が座っているその席、今頃ハワイでお好み焼きでも焼いているだろう生徒の席ではありませんか。
ちょっとおかしいなと思ったら。

「君、その席は一ノ瀬のせ「そんな事より円堂君を当てて欲しいんだけど」……」
可哀想な教師、黙ってしまいました。

「ちょっと。 染岡君の出番はまだなの僕こんなに待ってるのに」

「そんな事して何になるんだよ……!」
染岡君の悲痛な叫びが聞こえます。
顔が髪よりも赤いです、肌の色が多少濃いからかなんか風邪引いたみたいな色になってます。

「え? 勿論染岡君の勇姿を撮影して見るんだよ、最新型の、薄型テレビで」

「お前まだそんな事……!」
『まだ』。
『まだ』とは即ち、以前もあったと。

「うん。 染岡君にも見せてあげるからね。 この前の染岡君水色タイツの姿と合成したりして」

教師にはよく分かりませんが、『タイツ』という言葉が半端無く恐ろしいです。
タイツ、ぴっちりタイツでしょうか。

「アレの事はもう言うなぁぁぁ」
可哀想です。 染岡君が可哀想です。
中二の頃になんか色々と設定を書き連ねたノートを大人になってから見てしまった様な反応です。 あ、今が中二でしたね。 ノートといえば、先ほどから闇野君が熱心に何か書いてます、なんだろ。
教師には染岡君を助ける術がありません、怖いもん。

「染岡……」
この教室に居る、目立つまとも要員は今のところ鬼道君と風丸君と円堂君です。 豪炎寺君はもうダメだ。
鬼道君は鬼道君で、なんか密かにカメラ(しかも高性能最新型)の準備をしていますし、鞄から春なんとかと書かれたモノ(法被?)が見えるし、窓から見える一年生の教室気にしてるし、外野が変です(っていうかあの外野の制服帝国では)。

外野を抜けばまともなのは風丸君と円堂君です。
円堂君は外野がアレですし、風丸君は風丸君で机の下に見覚えのある黄色と茶の生命体、いやむしろ生徒が。
 
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