☆記念☆

□離れるもんか
1ページ/2ページ




「君はいつまで僕と居るだろうか…」

「は?」

今日GUNはお休み。
外は雨で、外出する気もないオレとシャドウはソファーに座ってやりたいことやってた。
シャドウは趣味の読書。オレはテイルスから借りたゲーム。
雨の音とゲーム機から流れるBGMに支配されていたリビングに、
急にシャドウの声が加わった。

「いつ、僕から離れていく?」

「…何?」

「君を考えると夜も眠れない」

それは大変だ。明日エッグマンに診てもらえ。
そう言ったらゲーム機を奪い取られて、本と一緒に向かいのソファーに投げて、
オレの両手首を捕まえると押し倒してきた。

「どうやったら君は離れない?」

「離れるもんかよ」

「それを保証できるのか?」

「命でもなんでも賭けてやるぜ」

「その命のことだ」

と心臓があるオレの左側の胸元に
そっと手を置いて、言った。

「君はいつも何処かへ遠出しては死にかけで帰ってくる。メフィレスに後ろを取られて一度死んだしな」

ムッとしたけど事実だし何も言い返せない。

「中世ヨーロッパだかの世界や星が壊れた事件から帰って来たときもボロボロに傷だらけ。おかげで僕は夜も眠れない」

いっそのこと
閉じ込めてしまおうか

シャドウの口元が嬉しそうに、
ニヤリと笑った。

「そうすれば君は何処にも行かない」

「…あぁ、そうだな」

「壁に鎖で繋いでしまうか?」

「あぁ、いいな」

「すばしっこい君の脚をもぎ取るか」

「あぁ、名案だ」

「僕と君を縄で繋ぐ…いや、寧ろ縫い付けてしまおうか」

「Nice Idea」

「……。」

嬉しそうだった目が細められた。

「本当にいいのか?」

「あぁ、いいぜ。…オレは案外タフな奴なんだぜ?それにしぶといのが取り柄の針鼠」

優しく笑って戒めの手から逃げ出すと頬にそっ…と手を添えた。

「だからそう簡単に死ぬもんか。
オレが死ぬ時はお前の腕の中か、お前の手で殺されるのを願うな」

照れ臭そうに、ニタッと笑う。

「つーか、帰って来なきゃお前どんだけ怒鳴ることやら」

「勝手に消えたらお仕置きだ」

「おー怖い怖い。こりゃ死んでなんかいられないな」

珍しく自分からグイッと引き寄せてシャドウを抱き締めた。
くっついたって可笑しくもないくらいに密着させて、自分の鼓動を聞かせる。

「心配するな、なんて言えないけどさ。…オレの帰りを信じていてくれよな」






「もしも、信用出来なかったらその時こそ、閉じ込めるなりなんなりしてくれ」

「…あぁ。だがもっと簡単な方法 思い付いた。でも実行には移さない」

「…What?」





君の心臓に食らい付いて、
ソニックは“僕の中で生きる”、という方法。

そう言って甘く濃厚なキスをしてきた。



fin.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ