小説

□sweet
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僕は恋人様の為に調理をしていたハズだった。

なのになのに、
この状況はおかしくないかい?
ねぇシルバー…?



「んっ…ぁ、あ…」

「んん、甘いな」

そりゃ甘いだろうね。
ミルクチョコをさっきつまみ食いしたから。
この甘さじゃ物足りないんじゃないかと思ってたケド。
甘さ丁度いいみたいだね。
さぁ離して。
調理を再開しないとバレンタインに間に合わないよ。

「あっ…や、ぁん、ふッ…」

キスの最中に、シルバーの手袋が胸を滑る。ゆっくり…焦らすように。
躯が敏感に反応して、棘がぞわぞわと逆立った。
シルバーってば自分勝手。
僕の話も聞いてくれやしない。
キッチンのシンクで突っ立ってたらいきなり後ろから襲われて、
シンクに押さえ付けられてるもんだから身動きとれない。
シルバーが、下準備で溶かして置いたチョコを手に付ける。
…え、まさか。

「待、…シルバーッ、ぁ、あ」

ドロドロに汚れたシルバーの手袋に弄られて。声が抑えられない。
ピリピリと躯に快感が走った。
こらこら。食べ物を粗末にしちゃ駄目だよ…と、思ったら。
なんとシルバーは胸の粒ごとチョコをペロッと舐めた。

「んんっ…」

舌先で弄られて、甘噛みされて。
しっかりと感じてるなんて淫乱だなぁ僕も。
その証拠に下は既に質を増していて、シルバーがそこに手を添える。
ネチャネチャってわざとらしく音を立てて あーもーやめてよ何にも考えられなくなっちゃう。

「あ、ぁっや、だぁ…!はずかしい、よぉっ…」

「俺しか見てねぇよ。可愛い…メフィレス」

吐息のように囁く言葉。
耳の奥に響いて、それすらも敏感な身体は快楽に変えてしまう。
フルリと身体が震えた。
天を向いた自身から先走りが溢れる。あーあ、また掃除しなくちゃいけないや。

「なぁ…挿れてもいいか?」

白濁を絡めて指先が下肢へと移動していく。
吐息も何もかも熱くて、
僕には拒否するどころかもうシルバーが欲しくて堪らない。
待ってとか口では言いながら、実は早く中に突っ込んで欲しかったりする。

「あっあ、ぁうっ…!や、だめっ…ぁあ、あっ!」

僕まだ答えてないのに。
勝手にシルバーが入ってきた。
まだ中途半端に解したから結構 痛いよ。

「キツっ…メフィレス、俺見て…」

「や、ぁっあ!いたいっ、やだぁ…ぁ!」

ムッとシルバーが口を尖らせた。
あー待って。
ごめん謝るからそんなに動かないで。本当に痛いから。
でも何故だかその痛みさえ気持ち良いんだ。…変態だね僕ってば。

「あ…ぁ、あっ…!」

「…ッ、良くなってきたな…!」

シルバーからも甘い声が零れて、クスッと口元が笑う。
僕は瞳の黄金に飲まれていって声を上げるだけ。
だってもう なぁんにも考えられない。ねぇシルバー…もっと…。

「あ!ぁ、ひっああ、そこ、あっん!」

痛いほどに気持ち良い快楽が波みたいに押し寄せた。
奥の前立腺を突かれてキュッて中を締め付けて、それが良かったのかぐちゃぐちゃに中を突かれた。

「ここ、か…?」

「ぃあっああん、だめっ、あっぁあ!そこっ、イイからぁ、あっ」

ビクンと身体が震えて勃した自身から白濁が吐き出された。
はあはあ…呼吸が荒い。
ガクンと力が抜けた。

その瞬間。


―ガタン!と溶かしておいたチョコが宙を舞って。

「「わっ…!」」

手元が引っ掛かってボールを引っくり返した。
チョコはべちゃっと僕とシルバーを一瞬にして汚す。

「あー…せっかくの君へのチョコ、台無しじゃないか…」

「俺のせいかよ」

「だって君が…んっ!」

まだ文句の途中なのに、シルバーが僕の身体に着いたチョコを舐めとった。
ピリリと走る快楽にまた中を締め付けて、あ。そういえばまだ繋がったままだったね。
締め付けたときに感じたシルバーのあまりの大きさに僕は小さく震えた。

「ぁ…しる、ば…!」

「喰っちまえばいい話だろ。…このまま貰うよ。ほら続き。俺まだイってないし」





今年のバレンタインはシルバーに食べられて幕を閉じた。


fin.


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