作品

□運命だと信じよう
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これが運命だと信じよう









「ジェームズ、シリウス…」


私は旧友の名を呼ぶ。


もう逢えないと、分かっているのだが。






ついついあの時を思い出してしまう。


あれほど幸せだった頃が、
あるものか……






…――――


「ならさ、僕たちもリーマスと一緒に動物もどきになるっていうのはどうかな??」

「あ?俺たちも?」

「で…でもさ…どうやってやればできるの…??ぼくにもできるかな…??」

「できるさ!できなくても僕が手伝うよ。みんな一緒なら、寂しくないだろ?」

「まあ…な。やるからにはしっかりやらないと…」

「も、もし僕だけできなかったらちゃんと手伝ってね…?」





…―――――――。





みんな…あの時は本当にありがとう、

私は、みんなのお陰でここまで生きて来れたんだ。




…――――――――




(なあ、今日はどこ行くんだ?)

(そうだねシリウス。どこいくの、ジェームズ。)

(そうだなあ、ホグズミード辺り行ってみようか?)

(ホグズミード!??人いっぱい居るよ、見つかったらどうするの?)

(深夜だから誰も居ないって。)

(それに俺ら未登録の動物もどきだろ?ばれねえよ)

(大丈夫だよ、安心して。僕らはいつでも一緒だろ。置いてったりはしないから)




…―――――――――。


楽しかったな、ホグズミードや校庭を一緒にまわったのを、
よく覚えている。

そして出来たんだ、「忍びの地図」が。







私の幸せだった期間は短かった。

しかし私は他人の、私以外の人以上の





幸せを、短期間で味わった。





「おい、スニベルス。
ここのコブを押してみろよ、これ押せば中入れるぜ」


「コブ…?」






……―――――。






(シリウスっっ、何してんだよ!!)
(なっ、何って…コブ押せば中は入れるって言ったらコイツ、
まじで押したんだぜ!?)






あぁ、ジェームズとシリウス…

スネイプ殺しかけてたな……

あの時はスネイプも…私自身も、
危険だった…







昔は…楽しかった……、

あの頃に…もど、れたら…





それほどの幸せはないだろ、う…。

しかし…私にはジャームズの意思を継いで…



ハ、リー…を護らなくては…
いけないんだ…








「ハ…ハリー…、君は…いいお父さんを持ったよ……。そし、て…君は…お父さんに似て…、
とても優秀で…勇敢な、素晴らしい…魔法使い、だ……ハ…リ…」








……………―――――――――――――――――。














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