作品

□無表情
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レギュラス

彼と知り合って、二年くらいたっただろうか。
レギュラス、彼は二歳年下の、
可愛くない後輩。
いつもむすっと口を結んで、
真顔、真顔、真顔…。
頬の筋肉が緩むなど、
雨でも、雪でも、いや
嵐でもくるんじゃないっかって
くらい。

その位珍しいこと。


だけど、偶には可愛いときだってある。

「レギュラス、なんでそんなに笑わないの?」

「笑いたくないからです。」

へぇ、私はそう思った。
いや、わたしだけじゃないだろうけど。
ほんと可愛げのない、変な後輩だよね。

「レギュラス、ねえ、見て。」
「なんですか」

私はすっ、っと指を前に突き出した。
ルシウス先輩。
なんてゆうか、凄いかわいそうな人。

「レギュラス、あんたもきっと違うタイプのあれだよ?」
「違います。やめてください、冗談じゃない」

「違うって断言できる理由は?先輩より上手なところは?」


ピタッと時が止まったように、
身の回りの全ての音が止む。




目の前で黙りこくるレギュラス。
そして眉間に皺を寄せた。
珍しいな、レギュラスが考えてる。











「………。…顔ですかね?」






………………。



え、なにこのこ。
ナルシストなの…
ルシウス先輩も、割とモテるよね?
顔勝ってるだなんて、
断言しちゃうんだ。


「……レギュラスやっぱり、




笑わないでも、十分可愛いよ」






「や、やめてください。気持ち悪いです」


そんなことを、普通に言ってのけちゃう君がだいすきだよ。




それから…




微かに耳が赤く火照ったのは、
内緒にしておいてあげよう。


無表情だって
(可愛げはあるんだね)

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