こんなの非日常的だ!

□欲(後)
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『……あれ、何分経ったっけ?』



携帯で時計を見ると…30分過ぎてた。

何やってんだ…
俺の本買いに来た訳じゃないのに。

本を元の場所に戻す。

………。

…やっぱ買おう。



『さて…そろそろ買い物済ませて帰るか…
‥あれ?アイツらどこ行った!?』



周りにいない!?

辺りを見回すと‥女の群れが出来ていた。
……俺の周りに。

あ、れ…何これ、俺は見せ物じゃねーんだけどな…



「あの…」

『何、ですか?』

「ひっ‥1人ですか!?」

『え?まぁ‥今は…』

「お願いします!私と一緒に…」
「いえ!私と…」
「あたしだよぉー!!」
「す‥好きです!!」

『Σはぁ!!?』



告白する相手違うだろ!!
女に告白されても嬉しくないっつの!!!

俺かんっぺきに男扱いだな!

一人称が俺だから仕方ないけど…



「あの…お名前を…」

『すいません!
連れが居るんで!!』



逃げた。
いや、当たり前だよな。
アイツら探さねーと駄目だし…

…はい、次の女の人だかり発見。



「メルアド交換しませんか!?」
「ちょ、抜け駆け!?」
「早い者勝ちだもん!」

「………。」



嗚呼…元就さんの眉間にシワが…
ムカムカマークまで…

もう限界来てるみたいだな。
止めに行くk……



「邪魔ぞ、失せよ」



…ちょ、ここここわい。

冷気を発しながら女を睨まないで。
ほら、涙目になって……あー泣いた。

そして元就は俺を見付け、歩み寄ってきた。
‥怖いけど顔には出さねー。



「探したぞ。
やはり分からぬ、覚えてから再度来る」

『お、おぅ。
(チョー普通じゃん…)
じゃあ他の奴ら探そうぜ』



近寄ってきた元就の顔はいつもの顔で。
眉間のシワもムカムカマークも消えていた。

‥仕切り直して探しに行こう。




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