こんなの非日常的だ!

□仲
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目を覚ますと、俺の隣には既に誰もいなかった。

やっぱり早い。
半兵衛は他の奴らと違って、起きたらさっさと出ていくってとこも偉い。

時刻は、まさかの7時前。
久々に携帯のアラームが鳴る前に起きた。

制服に着替え、寝癖を直し、髪をポニーテールにして部屋を出る。



『おっはよーさん』

「おはようございまする!
朝餉の準備も出来てるでござるよ!」

「準備したの俺様なんだけど旦那ぁ!
いかにも旦那が作ったように言わないで!」

「誰が作っても同じぞ」



元就の言葉を聞き、ギャーギャーと佐助が言い返し始めた。
元就は何も言わず、無視を決め込んでテレビを見ている。

その様子をみながら椅子に座り、朝食を食べる。
(勿論挨拶した後に)

…やっぱり美味い。
これだと昼飯も任せられそうだ。



『それにしても朝から元気だなー…
あ、そうそう。
今日は半兵衛の生活用品買いに行くから、3時半くらいに学校来てくんない?』

「分かった。
いつまでも借り物の服と言うのは…ね」

『そうだよな…
で、荷物がいっぱいになること間違いないから…慶次も着いてこい』

「「…!?」」



家が静かになる。
聞こえるのはテレビの音だけ。

想定の範囲内だった俺は、黙々と朝食を食べていた。



「ちょ…ちょっと待ってくれよ!
何で俺なんだ!」

「僕も慶次くんだけは嫌だよ。
涼くん、相手を変えてくれないかい?」

『はぁ…あのなぁ…
その険悪な状態が嫌だから言ってんだろ』



ご飯を口に放り込みながら話す。

朝は少しも時間を無駄にできねぇし。
気を抜けば遅刻するからなー…
遅刻殆どしないけど。



「険悪な状態が嫌だから一緒にするって…なんか矛盾してるだろ!」

『してねぇよ、今日長い時間を共に過ごしてお互いを理解しろって言ってんの』

「理解なんてしたくもない。
否、できる筈がない」

『してもない時点で言う言葉じゃないな。
兎に角2人で来い、以上』



くだらないすれ違いなんて、俺が壊してやる。
家の中が嫌な雰囲気になるのも嫌だ。

幸村と政宗、元就と元親は何だかんだ言いながら仲良く(?)してるっつーのに。

小さく息を吐いて食器を片付ける。



「涼ちゃんも大変だね〜…」

『ホントーに。
でも、ここ俺ん家じゃん?
この家にいるときくらいは、戦国とか戦いとか無しにしてほしいんだよな』

「仲良く、ってことか?
涼なら出来そうだよな」

『あ、元親。
ちげーよ、そこまで言ってない。
んで俺でも出来ねぇ』

「…じゃーどゆこと?」



佐助が目の前の椅子に座り、元親が俺の後ろに立って話の続きを聞く体制に入った。

いや、こんな真剣に聞くことでもないと思うけどな。
考えりゃあ元親の言ったことが、どれだけ無謀かってのが分かるだろ。




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