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□焦がれるウサギ
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とある昼下がりの事。

あたしはソファに寝転がり、ファッション雑誌を読んでいた。

その雑誌で、ちょうどウサギ特集をやっていて。
傍らでテレビを見ているバクラを見た。



『………。』

「………。」

『………。』

「…なんだよ」

『あ、気付いてたの?』



バクラは当たり前だろと言って、テーブルに頬杖を付いたままあたしを見る。

んー…流し目が素敵デスネ。



『あのねーバクラはやっぱりウサギだなって思ってたんだー』

「…ほぉ、いい度胸してんじゃねーか」



その流し目が細くなり、一層悪に染まったような顔に見える。

怖くはないが。
目つき悪いなぁ、もう。



『ちゃーんと理由もあるんだって』

「けっ、どうせ髪の事だろーが」

『それだけじゃないよ』

「あぁ?
…他に何があるんだよ」

『ウサギは大体白い。
バクラも肌と髪の色が白い』

「白じゃねぇ!銀髪だ!!」



いきり立って、あたしが寝転がってるソファのところまで近寄ってくる。

テレビは放置されてしまった。
仕方なく、近くにあったリモコンを取ってテレビを消した。

節電とかじゃなくて。

あたしもファッション雑誌を閉じて、ソファに座り直した。



『あのね…
ウサギは性欲がハンパないんだよ』

「…………はぁ?」

『いやだから、性欲がハンパないの。
時間や、場所構わずヤっちゃうんだって。
ね?バクラにそっくり!』



バクラがポカンとする。
次にニヤリと妖しく笑った。

…これは危ない。

身を翻してソファから降りてバクラから距離を取…ろうとするが、呆気なく捕まった。



『バクラくん、まだ昼過ぎ。
駄目だってば』

「時間も場所も構わずヤる、それがウサギだって言ったじゃねぇか」

『そうだね、言ったね。
でも、それってウサギ似だってのを認める事になるんだよ?』

「クク…別にいいぜぇ?
風月を抱けるんならなぁ?」

『良くない!エロいっつの!
ムラムラしちゃったからって襲っちゃ駄目だバカー!』



妖しい笑いを浮かべたまま後ろから抱き締められる。

こーゆーシチュエーションは大好きだよ?
後ろからギュッみたいな。

でも身体が危ない。

そう思った直後、バクラの手が胸を這ってきた。




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