Song

□吹きすさぶ風の中で
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今日もまた暗殺の仕事。

慣れってのは本当に怖い。
俺はただ上に忠実な犬になって何も考えずに人を殺す。

それが当たり前になっていた。






崖っぷちを 僕等は駆ける

決して後ろを振り向かない





「ふぅ〜…お仕事かんりょ〜。
俺様 無事帰還っと♪」

『ぁ、佐助!おかえりなさい』

「風月ちゃん、ただいま〜。
さ、俺様を癒やして!」

『私にそんな能力ないですよ〜?
癒やしてだなんて…光秀公みたいですし』

「うぇぇ!勘弁してよ!」



そうやって言ってくれる君の冗談が癒やしとも気付かずに。



『ねぇ、佐助…今回の仕事…
難しかったのですか?』

「ん?…うーん。
まぁ普段より簡単だったかなぁ?」

『…嘘』

「…え?」

『佐助はいっつも無理してます。
いつも帰ってきた時…辛そうな顔してます…』

「そんなことないよ?」



そんなことはない。

俺は人を殺すことに躊躇いなんてない。
殺す時に感情なんてないから。

そんなこと、ない。





一言も言葉は喋らず

いつの日も懺悔する事もなく





『また作り笑いしてますよ…
幸村さんや大将達とバカやってる時のが本当の笑顔だって…私分かるんですよ』

「作り笑い…そう、なのかな。
俺様ちゃんと笑えてない?」



思わず苦笑してしまう。
まさかこんな事言われると思わなかったから。




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